【コラム】2014/09/11
見かけ倒しのテクノロジーか、それとも。
最新のあたらしい技術を持った、見たこともない夢のような製品は、ここ数年はあまり出会っていないように思います。 昨日発表されたAPPLE WATCH(アップル・ウォッチ)も、すでに世の中にたくさんあるスマート・ウォッチのひとつであるようにしか見えません。 しかし、この商品には何か期待させられるものがあります。
IT技術を駆使した新しい商品は、いつも新しい機能を持っていることを(暗に)求められます。 この新しい商品を使えば、今までできなかったことができるようになる。 だから価値があるのだ、という理屈で理解しようとしてしまいます。
しかしながら、APPLE WATCHは、これまで発売されている他のスマート・ウォッチと機能的にそれほど差があるようには見えません。むしろ、他の製品よりも、できることを制限しているようにさえ見えます。 発売は2015年(来年)と極めてゆっくりペースです。 アップル社の技術力と資本力を考えれば、単なる機能の開発とは別のことに時間を使っていることがわかります。
APPLE WATCHの横についてる丸いダイアルは、この時計にとって極めて重要なものです。アップル社は腕時計の小さな画面を二本指で操作することはやめ、画面の拡大縮小をダイアル操作することにしました。これはアップルがこの新商品を単なるハイエンドな技術の結晶としては理解しておらず、より優れた操作性の真のスマート・ウォッチを実現したいのだと考えられます。
ユーザーの心をつかむのは、ハイエンドな機能のきらびやかな結果ではなく、シンプルで快適な操作体験であるとアップルは確信しているのでしょう。日々使って快適なものだけが、いつまでも愛され生き残る。APPLE WATCHはそれを目指しているのでしょう。