ハウステンボス駅から望む、ハウステンボス方面
さる10月21日、長崎県は佐世保市、ハウステンボスで行われている、世界フラワーガーデンショーへいってまいりました。今回は、3編に分けて、世界フラワーガーデンショー2014のレポートお送りしたいと思います。

博多からハウステンボス駅行きの直行便、その名も特急「ハウステンボス」に乗ること1時間45分。JRハウステンボス駅に到着です。ハウステンボスまでのアクセスは、中部以東からは飛行機で行ったほうがよさそうです。

駅よりさらに歩くこと10分。こちらがハウステンボスの入り口。なおチケットはこちらで買うほか、ネットで販売もしています。ハウステンボスと世界フラワーガーデンショー入場込みのチケットもあって便利。
駅よりさらに歩くこと10分。こちらがハウステンボスの入り口。なおチケットはこちらで買うほか、ネットで販売もしています。ハウステンボスと世界フラワーガーデンショー入場込みのチケットもあって便利。
ウェルカムゲートを入ると、ヨーロッパの伝統的なスタイルのフロントヤードが出迎えしてくれます。マップに入国とありましたが、まさしく異国に来てしまったかのよう。
そばを流れる川には遊覧船、その向こうに風車。いやがおうにも気分が高まってきます。ディズニーランドが子供の心に戻れるテーマパークなら、ハウステンボスは大人の楽しみ方が出来るテーマパークと言ったところでしょうか。
世界フラワーガーデンショー2014は、ハウステンボス一番奥のパレスハウステンボスで行われます。ここまではパークバスで園内を回りながら10分ほど。いったん有料エリアを出てしまいますので、この先もう一度チケットを見せる必要があります。
ここがパレスハウステンボス。パレス(宮殿)の名に恥じない豪華なつくり。世界フラワーガーデンショーの会場は大きく3つ。第1会場はここパレスハウステンボス前庭にて、ショーガーデン、テーマガーデンの展示です。まずはこちらから回ってみましょう。
A1 ポール ハーヴィブルックスさんの作品。「心の平穏を求めて」。イギリスからの参加です。 / / /
A1 ポール ハーヴィブルックスさんの作品。「心の平穏を求めて」。イギリスからの参加です。 / / /
モルタルの壁と御影の延べ段、そしてグレーの砂利。無機素材は徹底したモノトーンで。竹垣や植栽の色彩との対比が際立ちます。
中はサンクンガーデン(沈床庭園)となっていました。一段低いところから眺めるのは、緑と竹と。そして静寂の世界です。
A-2 チャン ファインさんの作品。「おじぎ草の夢」。シンガポールの方です。南方系の植物をうまくまとめてあります。 / / /
園路の先にはやはり周囲を囲まれたパティオ。熱帯の植物がエキゾチック。
A-3 東 巧さんの作品。「歓待の花苑」。和とモダンの融合。 / / /
A-3 東 巧さんの作品。「歓待の花苑」。和とモダンの融合。 / / /
テーマは「おもてなしの心」。まさしく日本文化の芯の部分ですね。茶庭を現代のライフスタイルに合わせてリビルドしたとのこと。
草庵からは流れが観賞できます。木とタイルのスクエアなラインと、日本の原風景を再現した流れ。モダンとは異質なもののせめぎ合いと融合が本質なのでしょう。
A-4 ステファノ バッセロティさんの作品。「命の歩み」。イタリアの方です。蛇籠と土管でベースを構成。バッセロティさんはサウンドスケープを取り入れるのが得意とか。なるほど、不思議な音楽が流れてきていますね。 / / /
音楽に誘われたのかはたまた蜜の香りか。海を伝って渡りをする蝶、アサギマダラがどういうわけかこの作品に群がっていました。かつて出島のあったここ長崎で、海外の人の作品を見ながら、遥か海を渡ってきた蝶を見つけるというのは、なんとも面白いものです。
A-5 猪鼻 一帆さんの作品。「悟りの夢枕(木火土金水)」。
A-5 猪鼻 一帆さんの作品。「悟りの夢枕(木火土金水)」。
雑木の庭にカラフルなモザイクタイルの組み合わせが面白いですね。
西陣織でしょうか。京都出身の庭師さんだけあって、和の捉え方もまた他の方とは違うんですね。
A-6 アレックス バートレットさん&ロバート ボルトマンさんの「HOME」。カナダの方です。
おお、こんなところにポストが埋め込まれて。ネットを伝いおりる水の表現も面白いです。
A-7 アーノルド モーリレスさんとエリック オサートさんの「楽園の庭」。モロッコ出身の方です。 / / /
A-7 アーノルド モーリレスさんとエリック オサートさんの「楽園の庭」。モロッコ出身の方です。 / / /
タイルはモロッコから輸入したもの。文様は葉脈というより麦穂のように見えます。
モロッコガーデンのトラディショナルなスタイルに則っとりつつユニークな解釈。中央には鏡で覆われた噴水。鏡は楽園への扉と考えられているそうです。
A-8 フィリップ ニエズさんの作品。「旅」。フランスの方です。 / / /
今まさに旅立とうとする鶴。渡ろうとしているのは、湖岸でしょうか、あるいは海か。
フィリップ ニエズさんの作品のすぐとなりにあったのは、C-2 チェルシーフラワーショーの受賞作品「Arita」。有田焼で有名な佐賀のプロジェクトチームの作品です。 / / /
フィリップ ニエズさんの作品のすぐとなりにあったのは、C-2 チェルシーフラワーショーの受賞作品「Arita」。有田焼で有名な佐賀のプロジェクトチームの作品です。 / / /
有田焼の青と白、古伊万里の玉の鮮やかさに見覚えのあるエクステリア業者さんも多いのではないでしょうか。今年、九州や関西のエクステリア総合展示会にも出展していました。
そちれこれがメダルですね。チェルシーフラワーショーでは、アーティザンガーデン部門でシルバーギルト賞を受賞。素材の美しさはもちろんですが、基本的な庭園の構成なども評価対象となったことが見て取れます。
B-1石原 和幸さんの作品「平和と再生の祈り」。 / / /
B-2 こちらも「平和と再生の祈り」。対になっているんですね。 石原さんは、日本を代表する世界的なガーデナー。今回は花を多用し、新しいイメージの創出にチャレンジされたとのこと。 / / /
テーマガーデン部門 B-3 レオン クルーゲさんの作品 「子どもの目線で」 。南アフリカの方。立体的な庭園作りが得意とのこと。 / / /
テーマガーデン部門 B-3 レオン クルーゲさんの作品 「子どもの目線で」 。南アフリカの方。立体的な庭園作りが得意とのこと。 / / /
白くまとわりついているのは、蝶々ですね。ところどころにぶら下がっている灯り(?)は蝶の羽の模様のイメージでしょうか。作品からはアフリカの大自然の中、群れて飛び乱れる蝶の大群を想起してしまいます。あるいは、地に落ちた枯葉が蝶となり飛び立っていく様か。
B-4 ニコ ウィッシングさんの「パインツリー・サークル」。オランダの方です。赤松もナチュラルな樹形に仕立てられています。敷き詰められているのは、砂利でもウッドチップでもなく、松ぼっくり! / / /
C-1 井上雅晴さんの「子供たちの庭、家族の庭」。井上さんは彫鍛金職人。オブジェ製作のプロフェッショナルです。アイアンを使ったプランターやブランコ、ベンチなど。お子さんと楽しめそうなお庭です。 / / /
そうそう、ひとつ抜けていました。フィリップ ニエズさんの作品の後ろにあったストリートアート「祈りの木」。毛糸を街路樹や公共物に巻きつける「Yarn bombing」というアメリカ生まれのアートだとか。 / / /
さあ、第1会場 パレスハウステンボスの前庭にて、ショーガーデン、テーマガーデン、環境装飾の3部門の展示を見てまいりました。それでは、次の会場へ移動しましょう。ガーデニングジャパンカップ編へ続きます。