さる11/3、長崎のハウステンボスにて行われていた、世界フラワーガーデンショー2016 庭の世界大会へ行ってまいりました。この時期毎年行われる、恒例のイベント。今年は世界各国のガーデンデザイナーによる優れたガーデン作品が26点展示されていました。会場の様子をお伝えしたいと思います。

2010年に「ガーデニングワールドカップ in ナガサキ」として始まったこのイベント、今年で7回目となるのですね。今回は、庭の世界大会、花の世界大会と、造園、園芸二つのジャンルに分かれたイベントが同時開催となっていました。期間は10/1から11/3まで。訪問したのは、11/3最終日です。

早朝博多駅を発ち、JRハウステンボス駅に到着。橋の向こうにハウステンボスがあります。眼前にある大きな建物は、ホテルオークラ。交通の便の関係もあり、もし訪問されるなら施設内に宿泊してのゆったりした滞在をお勧めします。
ハウステンボスのエントランス(入国口)からは、会場内を走るバスで移動です。会場は一番奥にある、パレス ハウステンボスにあります。

世界フラワーガーデンショー エントランス
■庭の世界大会 ショーガーデン


エントランスゲートをくぐると、協賛ガーデン、バルコニーガーデン部門の一部作品やマーケットがあります。その先へ進めば、パレス ハウステンボス。その名の通り宮殿のような建物ですが、そちらのご紹介は後にして、その正面で展示され散る、ガーデン作品を見ていきましょう。

ショーガーデン部門作品は、全部で7作品。それとワイルドフラワーを植えた特別展示1作品があります。


水上庭園
バンコクの運河をイメージした「水上庭園」という作品。デッキは桟橋ですかね。中央にあるのは舟です。
青い静穏の庭
「青い静穏の庭」という作品。青いオブジェはFRP製でしょうか。有機的なそのフォルムは、なまめかしさすら感じさせます。
預言者の文様
「預言者の文様」はドバイのデザイナーの作品。幾何学模様のスクリーンはイスラムの八芒星という紋様がモチーフ。
A Little Time / / /
「A Little Time」。イギリスのデザイナーです。英国のカントリーガーデンスタイルは、石遣いや植栽など見ても、日本の造園文化と共通する部分が多いですね。
繋ぐ ~すべての違いを認め合い、人と自然を繋ぐ癒しの空間~ / / /
日本の作庭家 杉島 善実さんの作品では、地元佐賀の有田焼製品が使われていました。
子宮
マレーシアのガーデンデザイナーによる、「子宮」というタイトルの作品。細い遠路を進むと、中が広がっていて、渾々と湧き出ずる泉が。大自然の子宮なのでしょうか。
全作品、細かく紹介したいところですが、スペースの都合もありますので、My展示場にまとめました、こちらのページをご覧下さい。ショーガーデン出展作全作品の360度VR画像をご覧になれます。

*My展示場:庭の世界大会 ショーガーデン




■庭の世界大会 バルコニーガーデン


続いて、同じくパレス ハウステンボス前で展示されていた、バルコニーガーデン部門作品のご紹介です。作品は全18点ありました。一部を除き、こちらも360度VRのイメージを撮影していますが、ページご紹介の前に、軽く目に付いたポイントを。

命の重なり
マーケットの方に展示されていた「命の重なり」という作品。曲線にカットされた板材が印象的でした。
都会の遷移
オーストラリアのデザイナーによる、「都会の遷移」。星形の木製敷き材がユニークですね。
Harmony
黄金比の板材を重ねて作られたベンチは、意匠的もあり、機能的でもあり。「Harmony」というタイトル通り、円環の連なりにリズムと調和を感じます。
森
シンガポールのデザイナーによる作品「森」。壁面などは熱帯雨林がモチーフですが、石のテーブルには乾燥に強いセダム類。湿潤と乾燥、交互に訪れるモンスーン気候が表現されているようです。
イスラム柄のデザイン
今回、イスラムの伝統的パターンを織り込んだ作品が目に付きましたが、こちらもその一つ。「イスラム柄のデザイン」という作品タイトル。抽象的な思考と数学を発展させたイスラム文化によるものと考えるとこのフェンスも面白いです。
スペインの芸術家のバルコニー
「スペインの芸術家のバルコニー」。前衛的だったり伝統的な要素の多い作品の中で、極めて現代人の求める癒やしの空間として気になりました。
全作品の写真とVRは、こちらのページをご覧下さい。

*My展示場:庭の世界大会 バルコニーガーデン


■パレス ハウステンボス


パレス ハウステンボス
庭の世界大会の行われた、パレスハウステンボス。オランダに実在するオランダ王室の宮殿を再現したというすごい建物です。イベント会場と反対側の南側には、宮廷庭園があります。様式はバロック式庭園。

キレイに刈り込まれたトピアリーや生垣、噴水など、My展示場の360度VRでお楽しみ下さい。




■秋バラ祭


パレス ハウステンボスで本格的な整形庭園を堪能した後、帰路につきました。少し距離はありますが徒歩で。途中、アートガーデンにて行われていた、「秋バラ祭」に寄り道。1000品種ものバラで彩られています。電飾もそこら中にあったので、夜は夜でイルミネーションに照らされすごいことになってると予想。

アートガーデン
スブニールドゥアンネフランク
目に付いた中ではこれが一番キレイでした。「スブニールドゥアンネフランク」という品種。
ルドゥーテのバラのフォリー
ルドゥーテのバラのフォリー(装飾建築の意)と看板のあったバラ園。フレンチローズコレクションです。
モザイク状の細かな舗石の園路は丁寧に仕上げられていました。
バラの回廊
バラの回廊。日が陰り始めLEDが目立つようになってきました。ああ、夜見たかった。
「ルドゥーテのバラのフォリー」、「イングリッシュローズフォリー」など何カ所かで360度VRを撮ってきました。雰囲気をお楽しみ下さい。

*My展示場:秋バラ祭



いかがでしたでしょうか。今回、オーセブンCADのスタンドインVRと同じような360度パノラマが撮影出来るカメラを持っていったので、より臨場感あるレポートが出来たのではないかと思っています。

オーセブンのWebサービス My展示場はこのように、周囲を見渡して観賞するガーデンの公開に向いたサービスです。PCのブラウザだけでなく、VRゴーグルを使えば、その場にいるかのような感覚でお庭を楽しめます。イベントが終わると解体されてしまう場合の記録手段としてももってこいです。

今回撮影してきた写真、VRはこちらからご覧頂けます。

*My展示場:ハウステンボス 庭の世界大会

それにしても、庭の世界大会、最終日と言う事で展示会場で花のセールが行われ、少し荒れていたのが残念でした。また昼間の訪問でしたので、プロジェクションマッピングなど照明を使った展示も見ることが出来ず、こちらも心残りです。次回機会があれば、ライティングの参考になる部分もレポートできたら、と考えています。