お隣の中国では、QRコード決済システムが広く使われているそうです。ガソリンスタンド、床屋さん、八百屋など、どんな小さな商店でも使えるのだとか。
私は中国に行ったことはないのですが、下のような動画は、しばしばメディアに登場します。売り手側が掲示しているQRコードを消費者がスマートフォンで読み取ると、それで決済が完了するという仕組みです。動画には、中国の街中でQRコード決済を行っている様子がいろいろ出てきます。
YouTubeの動画:https://youtu.be/Kf2_X-mbU-I
お店がQRコードを表示し、客がスマートフォンでスキャンします。客のスマートフォンには「決済済み」のマークが表示され、それを店員に見せれば売買完了です。まさにお金を渡すがごとく、空中で金銭データのやり取りが行われます。
この仕組みの素晴らしいところは、 日本ならば現金のやり取りしかできなそうな小規模な店舗でもこのQRコード決済を利用しているらしいという点です。店はQRコードを店先に掲示しているだけです。ただの紙ペラです。カードリーダーなど不要なのです。
QRコードを使った中国の決済会社は、AlipayとWeChatという2社でほぼ市場を独占しているのも、ユーザーの利便性に寄与しています。スマホの浸透と規制緩和で短期間に普及したため寡占状態のまま市場が出来上がったのでしょう。選択肢が少ないことが、店舗や消費者にとってのメリットになったと思われます。
日本の電子決済で普及しているのはQuickPayやiDなどです。これらはクレジットカードベースの決済ですが、 AlipayやWeChatはクレジットカード会社が間に挟まっていません。 カードを発行したりカードのリーダーを用意する必要もありませんから、導入コストも低く、素早く市場に広がったと考えられます。
日本でも、昨年あたりからPayBというQRコード決済システムが普及し始めました。公共料金の支払いなど、いわゆる払込用紙のバーコードをスマホで読み取ることで自分の口座から払い込める仕組みが始まっています。AlipayやWeChatのように広く使える手軽な決済方式になる可能性があります。期待したいと思います。