【コラム】2018/06/01
アパレル購入の最新形
この店に入ると、まずは、すっきりとレイアウトされた洋服の陳列に驚かされます。ハンガーラックに色とりどりの洋服が並んでいて、高級ブランドのブティックか、洒落たセレクトショップにでも迷い込んだ心地がします。しかし実際、ZARAは低〜中価格のブランド。値札を見ればどれも数千円。高いものではありません。
ユニクロやGAPなど、低価格のブランドほど商品が大量に陳列されているものです。理由は簡単で、洋服にはサイズがあるからです。基本的にはすべてのサイズを揃えて並べておく必要がありますから、同じ色のシャツが何枚も重ねて陳列されているのが普通です。ZARAでも、通常の店舗はユニクロやGAPと同じです。
 ZARA ROPPONGI POP UP （出典：TOKYO FRONT LINE) |  ZARAの通常の店舗 (出典：流通ニュース） |
気に入った服が見つかったら、希望のサイズがあるかどうかハンガーを一つ一つ確認・・・するのが通常の店舗ですが、この新しい店ではスマホを片手に服のバーコードをスキャンします。そして、自分の目的のサイズをスマホ画面から選択するのです。
５分後に２Fの試着室に行けば、指定されたブースに希望の服が用意されています。 気に入ればスマホから「購入」ボタンを押して、その場でカード決済できます。 購入した商品はお昼までに買えば夕方に、午後の購入品は翌日以降に受け取れます。宅配も可能です。
店側としては全ての商品のすべてのサイズを試着用に１種類ずつ用意しておけばよいので、通常よりも多くの種類の商品を展示できます。客の立場からも、サイズを探す手間もなく、在庫なしの心配もなく、余計な手荷物もなく、スマートな購入体験ができます。
これは、実店舗とスマホアプリが一体となったシステムです。店舗内の試着室管理プログラムとZARAオンラインストアとスマホアプリが連動して、店舗内の試着室の予約を管理しつつ、オンラインストアでかごに入れた商品情報を、その場で試着できるのです。 試着室の予約と購入ボタンがアプリ内でセットになっている点が見事で、試着即購入の流れが各自のスマホで完結します。試着行列も、レジ行列も皆無です。
この店舗は、ZARA六本木ヒルズ店の改装中のみの期間限定店舗ですので、ご興味のある方はお早めにご体験下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=ZjyiCQGados
