ふたつのマウスをご紹介します。ITの巨大企業、MicrosoftとAppleのマウスです。MicrosoftとAppleは、それぞれパソコンやそのOSを開発しているライバル会社。互いの哲学、戦略が商品に現れています。
Appleといえば、MacやiPhone、iPadなどですよね。これらのハードウェアに加えて、MacOS、iOSなどの基本ソフトもすべて自社で開発しています。一つの会社が全て作っていますから、製品全体がシンプル、スタイリッシュにまとまっています。
Appleのマウスは、そんな会社の製品らしく、アルミと透明プラスチックでかっこいいです。細部の仕上げもよくできています。手に持っているだけで楽しくなるような商品ですね。車で言えば、ポルシェのような感じでしょうか。
Microsoftのマウスは、プラスチックの一体成型。重厚感もなく手触りもチープです。田舎のプラスチック工場を連想するような商品です。こちらも車で例えるならば、フォードの大衆車というところでしょうか。お値段もだいぶ安く、 Appleの8,800円(高っ!)に対して、Microsoftは800円(安っ!)です。
製品のデザインや質感にこだわるAppleと、安く良いものを広げようというMicrosoftの社風が、互いの製品に良く表れていると思います。空調の効いたデザイン事務所ならAppleが好まれるでしょうが、砂の浮いたテーブルならMicrosoftのマウスの方が選ばれるでしょう。広く世界を見れば、Microsoftが先を行くのは分かる気がします。
私自身は、毎日パソコンに向かって仕事をしていますが、個人的にはMicrosoftのマウスの方が好きです。スピードを上げて仕事をこなすとき、ポインタをすばやく確実に運んでくれるのは、軽くて持ちやすい、Microsoftでした。たった800円のマウスで、仕事の能率が結構上がった気がします。