近い将来、「ビーコン」が身近な機器となりそうな気配を感じます。
ビーコンって知ってますか?名前はなんとなく知っている方が多いと思います。かなり昔からある名前です。
ビーコンは、発信機から常にビーコン電波が出ていて、それをビーコン受信機でキャッチして、どのくらいの距離でキャッチしたか分かるというものです。ビーコン電波の中には少しの情報(自分の番号など)が入っていて、航空機や船舶などが所定の場所に近づいているのかなどの情報として使われてきました。強力な電波発信と専用の受信機が必要で、私たちの身近なものではありませんでした。
◆Bluetooth LEの登場 無線通信規格のBluetoothが、通信距離は短く、データ通信量もそんなに多くできないけど、低消費電力のLowEnergy(LE)モードを策定しました。 2014年に出たver4.2がほぼ完成形といわれていて、スマートフォンの普及とともに、音楽を聴くスピーカー、ハンズフリーで会話できるイヤフォンマイクなどをつなぐ、無線方法として広まりました。 iPhoneでもAndroidでも、Bluetooth機能はついています。 |
そんな消費電力の少ないBluetooth LEを使って、とても小さい近距離用のビーコンが作られました。
ビーコン機能といくつか機能を追加して、スマートタグという名前になっていますが、ボタン電池ひとつで1年以上持ち、スマホから呼び出せば、(近距離なら)音が鳴るというアイデアで、紛失盗難防止カジェットとして人気です。
◆インターネットとの相乗効果
屋内はWifi、外でも電話会社の通信網を使ってインターネットにつながる時代ですから、ビーコン探索、または探索後にさらに便利な機能を追加することで、面白い商品も出てきています。
スマートタグをランドセルに付けまして、家に設置した受信機で検知することで、「帰ってきた」「出かけた」が分かり、それを宅内のWifi経由でインターネットを介して、スマートフォンのLINEに通知が届く、というナイスアイデアな商品が発売されました。買いました。
図にすると以下のようになります。
◆まだまだ出てくるビーコンサービス
スマートフォンがBluetoothの受信機になりますから、ビーコンが発する電波を拾うことができます。そこで、店内の商品のある位置まで案内したり、商品棚に近づくと、その商品の情報やクーポンを表示してくれるスマホアプリが開発されています。
会社の備品ひとつひとつにビーコンを付けてあり、貸し出し中がすぐにわかるアプリもありました。
BLEビーコンは数百円で仕入れられるため、安く販売できるのがメリットです。
これから需要が高くなれば、今より品質は高くなりながらも、もっと安くなるかもしれません。
爆発的な普及というのは無いと思いますが、車のキーレスエントリーのように、いつの間にか身近で使っているものになる、そんな予感があります。
■後記。 我が家のキット
これいいじゃないと買ったんですが、誤検出がすごくてですね、、、
帰ってきた数分後に出かけて、また数分後に帰ってくるなんて通知を繰り返して、そのうち通知元が環境を確認してくださいみたいなメッセージとともに通知をストップしちゃうんですね。
夜に解除して、朝起きるとLINE通知が数十件たまってるわけです。
見てみると、夜中の2時とかでもおでかけしてます。子供はぐっすり寝てますから、これが本当ならランドセルだけが夜の散歩に…
これが初日から続いて、何度も問い合わせして、位置を近くしてくれと何度もいうから、とうとう受信機の真横10cmに置いたりもしてみたんですが改善せず…。お蔵入りして今はスマートタグだけ私のプログラミングのおもちゃとして使ってます。
■技術者っぽく原因追求
なんでこんなに誤検出したのか調べてみました。 確かに我が家は電話機・子機があって、電子レンジがあって、WiFiがあって、スマホ2台にタブレット1台があります。Bluetoothの2.4GHz帯はてんやわんやです。でも今ってこんな家ばかりじゃないでしょうか。 ネットで口コミなどを見てみると正常動作している人もいますし、我が家と同じで激しく誤検出を繰り返している人もいます。 |
調査プログラムを組みまして、この問題のビーコンが発信している電波をキャッチしてみました。
すると、2秒に1回の間隔で発信していることが分かり、ずっと計測していると、数十秒間や数分間、電波を受信できない時間があることが分かりました。
この未発信期間が「いない=出かけた」という誤検出になってしまっていたわけです。
検証中はパソコンの箱の上に置いていますから、ほぼゼロ距離。ビーコンの品質に問題がありそうだということが分かりました。まだ超小型で低価格のビーコンが登場したばかりなので、品質に大きな差があるようです。
安定した発信ができる品質が求められるビーコン。このあたりはこれからに期待ですね。