物価高騰の波が日本中を覆っています。スーパーで買い物をしていた時、昔からなじみのある朝ごはんのシリアルが、以前の二回りも小さくなっていたことに驚きました。見た目の価格を下げずに、量を減らしているんですね。
お菓子やアイスクリームなど、一つひとつのサイズが小さくなってゆくのを見て、価格の影響力が日本の市場では強いんだなと感じます。内容量を減らすことで、これまでの価格に近しい見た目の価格を維持しながら、何とか消費者の購買意欲を下げないように必死なのだと思います。
これも企業努力ですから、否定する気にはなりません。原価の高騰を消費者に直接的に負担させるのは心苦しいという考えでしょう。しかし、結局は内容量が減っているので、消費者に負担させつつもそれを分かりにくくしているだけと見ることもできます。そう考えると、やはり消費者としては複雑です。
先日近所のパン屋さんに行ったとき、パン屋のおばさんが「小麦が上がっちゃって」と原価高騰を嘆いていました。「パンをちょっと小さくするとか、そういうことしないんですか?」と訊くと、値段を上げさせてもらう、と言います。理由は、「ウチのは(パンを作っている御主人は)職人だから」というのです。
職人だから、とは、納得のいく仕事をしたいから、という意味だと思います。そこには、きちんと仕事をした上で自分の仕事に対して正当な対価をもらう、という強い意志を感じました。全く同じことが、地元の寿司屋さんにもありました。昨今の回転ずしが価格維持のためにシャリを小さくする対策をする一方で、寿司屋の職人はこれまでと同じものを食べさせてくれました。
職人さんの品質へのこだわりに触れて、物価高騰に逃げ腰な大企業にはない力強さを感じました。日本の良さはきっとここにあるんだと感じさせてくれました。エクステリア・造園も、職人さんに支えられている業界です。今年もいい仕事、応援します。