【コラム】2006/11/11
ゆっくりと 味わう 日本の料理は 庭から生まれる
イギリスの料理がまずいのではない イギリスの料理のおいしさを 我々日本人が感じられないだけだと 思うのです。
イギリス人は 宗教やセックスの話を日常の話題にしないように 料理の話はしないのが礼儀だそうです。 だからイギリス人は料理に関心がないように思われて イギリスの料理はおいしくないようなイメージが定着したのではないでしょうか。
戦後、日本の食文化で発達した味覚は 働くことに精が出るように 時間的にも短時間で食べることができる 料理が盛んになったと思います。
うどん や そば ラーメンなどは のど越しを大事にするぐらい 短時間に味わう?料理です。
働くことに意味があった社会では どうしても 短時間に食べることが大事になっていきました。
その結果 ファーストフードは 日本にスムースに導入されたといえます。
イギリスでは 朝食を大事にするようです。確かにイギリスでは 超肥満の人をあまり見かけません。これは夕食より 朝食を大事にする習慣があるからではないかと思います。
朝食でよく食べられる 温かい ポリッジ(porridge オートミール)は実に複雑な味で おいしいと感じました。ウイスキー、ミルク、黒砂糖などを食べるときに お好みでかけてたべるのですが いい味でした。
この味は 日本人たる私には なんともはっきりしない 味ですが ゆっくりと味わうと どうして 実に素材の味をしっかりと残しながらも調和のある料理でした。
イギリス料理は ゆっくりと 味わうことが なにより大切だという価値観が生み出したのでしょう。つまり 口の中で味わう時間が長い料理なので 薄味で素材の味を大事にした料理が生まれてきたのが イギリス料理だといえます。
現在の日本の料理の味は せっかちな料理で このままだと 肥満を増やすだけになってしまうような気がします。
庭は ゆとりの産物 料理の味も ゆとりが もう一つ加われば 今までの日本料理から 一歩先に行く 素晴らしい料理を 食べることが出来ると思います。
きっとそのときは 素晴らしい庭で ゆっくりと頂くことになるだろうと 思います。