配置平面正
みなさんこんにちは。連休明け、ぽーっとした頭も正常に戻りつつあります。

英国ガーデン便りパート2【バーンズリーハウス その1】を、お届けいたします。英国の動画もぜひご覧ください。


コッツウォルズ地方には 美しい風景と味わいある建物が残っています。  モリスの評価した美しい村 バイブリーから 歩いて1時間ほどのところに バーンズリーハウスがありました。
この庭も 一人の女性(ローズマリー・ヴェリー夫人 2001年逝去)が1960年代から手をかけて作り上げた庭です。
庭を造りながら 才能を開花させ女性園芸家となり スードリー城のノット・ガーデンなども手がけています。またチャールズ英皇太子の園芸の先生でもあります。英国皇太子はオーガニック推進者でも有名です。
建物(ハウス)は1697年に建築されたもの 300年ほど経っています。コッツウオルズ特有の蜂蜜色のライムストーンで造られています。
バーンズリーハウスは ポタジェ 菜園(フランス語のポタージュも同語源) で有名です。
華やかな キングサリの径(見ごろ5月末) テンプルガーデンなどが有名。
ホテルの南に面する庭には 有名な ノット・ガーデンがあります。大きさは(幅7m 奥行き5m)テラスの幅で作られていました。4隅には トピアリーでアクセントをつけてノット・ガーデンをより強調するデザインです。
道路から ハウスを見る。
道路から ハウスを見る。
ライムストーンのハウスは一段高い場所に建っています。
ハウスは現在ホテル。ノット・ガーデンを見ながら食事ができます。
四隅のトピアリー ボリュームがあっても軽く見える工夫なのでしょう。
刈り込まれたら もっときれいなのでしょうね。
テラスより 庭を眺める。奥にガゼボ。
庭の奥に見えるのが ガゼボ。
ガゼボの方からハウスを見る。均整のとれた庭。
芝刈の直後です。
建物とノット・ガーデンはバランスしてますね。
ハウスの西側のテラスを歩くと壁にリードしたバラがありました。壁沿いの径にボックスウッドをたくみに組み合わせた花壇がおもしろい。細かな神経が行き届いた庭を造った人の感性が感じられる。
テラスはL型に作られています。東側のテラスです。
テラスはL型に作られています。東側のテラスです。
建物の壁まで テラスがつづきます。
右へ通路が続き その脇にボックスウッドを組み合わせて花壇を作っています。
中庭東から。
四角い庭のコーナーに パーテアが造られています。
通用口の足元には 鉢の花が置かれて 彩りを添えていました。
右の奥に テンプル・ガーデンがあります。
緑の背もたれのシート
狭さゆえに 工夫をした花壇です。
自由に形作られたパーテア。
中庭北側半分。
中庭北側半分。
真ん中の通路。印象的なトピアリー。何をイメージしたのでしょうか。
庭に しっかりしたフォーカルポイントを与え その足元に 花々が。
中央奥に見えるのが ライム・ウォーク。
中央通路より北側のパーテア。(ボーダーといってもいい?)
通路の南側。
庭の真ん中を 芝生で広がりを出して コーナーに花壇を造っています。
真ん中の通路のボーダー
建物と 中庭の取り合い。
力強いトピアリーと 繊細な小さい花々。
バーンズリーハウスの中庭を南側から眺めてみました。庭の中央を東西に中心軸になる道が通じています。両サイドにトピアリーその足元には カーペット花壇のように敷き詰められた花や植物。住宅規模での細やかな配慮からいろいろな 工夫がされていて 楽しい庭です。
300年経った建物の屋根にはコケが生えて それが落ち着きを与えています。
300年経った建物の屋根にはコケが生えて それが落ち着きを与えています。
真ん中の通路を飾るトピアリーは リズムを与えています。
花の可憐さを引き出すための 大きく無骨なトピアリーなのか。
花の時期にみれば きれいなのでしょうが 緑だけでも 整っています。
木の大きさもコントロールされているようです。
奥のほう 暗がりの中に ガゼボが見えます。
ガゼボも いい位置にあります。
左の生垣の反対側には ボーダーがあります。こちら側はシンプルです。
テンプル・ガーデンにいたる径。
テンプル・ガーデンにいたる径。
テンプル・ガーデンを囲うフェンス。
テンプル・ガーデン。
テンプル。
ライム・ウォークに沿って造られたローン・ウォークが遠近感を与えています。
シシングハースト・キャッスル・ガーデンは 夫婦共同作業。しっかりとした平面計画が あったと思います。バーンズリーハウスはどうだったのでしょうか。
植物を手にとって大地に植えている作業の前に(例えば冬の間 どんな庭にしようかと想像して) 実際の作業を積み重ねて 美しい庭が作り出されているのでしょう。 この庭は いろいろなことを学びながら造り続けられたのに 一つのものとしてまとまりがあり 取って付けたような違和感を感じさせるものがない。
造っては確認し そして改善する作業を 何十年も続けて 洗練させてきたからだろう。花や緑の対象にのめりこんで全体がばらばらになってしまうような 愚はない。
人生という長い時間と それと一緒になっている自然の時間が作り出した創造物といっていいのではないでしょうか。人間の小ざかしい 造形的な狙いなども感じさせない庭だと思いました。
いつも 平面計画は頭の中にあって 自然と相談しながら 練り直し 確定してきたのでしょう。