オーセブンCADコンテスト2015
学校部門受賞作品
第8回 オーセブンCADコンテスト2015
学校の部・入賞作品発表
総 評
■学校部門
今年も沢山のご応募をいただき、ありがとうございます。学校での授業時間の中で学習された技術や知識、想像力を駆使された作品が並びました。先生には、作品のご指導から出品手続きまで、かなりのお時間を割いていただきましたことを、心より感謝申し上げます。
作品にはCADシステムの導入が待たれる学校からの「手描き」によるご応募もいただきました。2D学習で3D表現をする厳しさはごさいますが、「空間に存在するモノを平面図へ配置する」当たり前で思いつかなかった表現手法に触れ、ソフト開発をする私たちが学習させられました。(先生のご苦労のほども忍ばれました。)
弊社のCADは、平面に3Dコンテンツや図形を配置して、立体的な空間イメージをつかむ基本作図から街区公園などの課題を作図する応用作図まで、教育課程に合わせてご利用いただけます。今回の応募作品は、その全課程の生徒さんからいただきました。楽しさや夢、遊び心を感じさせる作品から、努力された跡が忍ばれる作品まで、多岐にまたがっています。いつも通り、応募作品のすべてを出力し、作品の意図するところに触れながら選出させていただきました。
※同じ賞では、順不同(受賞者の五十音順)でご紹介しています。
入選作品のご紹介≪学校部門≫
愛知県立猿投農林高等学校 環境デザイン科 香村 朋佳様
「ローマの休日」
作品コンセプト
”普段とは違う雰囲気を感じられる空間にしたい”そんな思いからこの計画がうまれました。住み慣れたマンションから1歩外へ出るとローマの優れた技術緑と美しい自然を感じられる空間になっています。
作図の感想・工夫点
どうしたら現代の構造物で”ローマ”の美しさを表現できるかが難しくとても悩みました。しかし、ローマの遺産を再現する事でローマらしさを表現するとともに自然の美しさをプラスする事ができました。
オーセブンからのコメント
水道橋や神殿、パーゴラなどイタリアのローマをイメージさせる「3D部品」を作って、マンションの緑地スペースを計画する・・・壮大なテーマをビシッとCADでまとめ上げたその手腕に脱帽します。CADの機能や効果を学ばれ、縦横に使いこなしていただいている作品です。ただ単にローマ風の庭をつくるのではなく、利用する人への様々な配慮や季節ごとに変わる風景を、作者自ら楽しんでCADによる効果的な作品づくりに向き合われています。休日の午後を過ごすスローライフな人々の姿が浮かびます。
受賞のコメント
この度は、このような素晴らしい賞を受賞することができ、感謝申し上げます。
「面白みのある緑地空間にしたい」そんな思いからこの空間は生まれました。今回、CADでの制作は初めてで、慣れない操作に戸惑うことも多くありました。しかし、CADの仕組みを理解し、植物や石材の配置、大きさの調節などの操作方法を学んでいくうちに自分の思い描く世界が画面に広がっていきました。平面図を作製し、パースの世界で空間を見たときの驚きと感動は今でもはっきりと覚えています。新しいことの発見ばかりで勉強になることがたくさんあり、楽しみながら制作することができました。受賞できたことは大変嬉しく思っています。しかし、まだ知識も乏しく努力が必要です。計画することの楽しさを知った分、これからも楽しみながらコンテストに挑戦していきたいです。
指導者のコメント
愛知県立猿投農林高等学校環境デザイン科は、平成17年度に御社の「eE-CAD7artケンブリッジ」を導入して9年目になります。3年生の学校設定科目「造園デザイン」において、造園デザインコースの生徒が意欲的に取り組んでいます。
今回の作品は、イタリア・ローマを題材に調べ、彼女が理想とする風景をデザインしてくれました。下書きの段階から立体的に空間を構成するための想像力が高く、よい作品ができるのではないかと期待していました。まだ授業を受けていない2年生であるため、初めてのCAD操作であり、あまり制作に時間を掛けることができませんでしたが、無事に応募することができてよかったと思っています。
作図にあたっては、短縮キーを活用した操作をいち早く使いこなすことで時間短縮を図り、レンダリングの素材選びに時間を掛けていました。アドバイスとして、パース内の光の強さや距離感などの調整と全体のレイアウトが美しく見えるようにすると良いと伝えました。彼女は楽しくデザインしていたため、CADをとおして造園の魅力を感じることができたと思います。
猿投農林高校にとって今回の受賞は大変嬉しいものであり、学校全体で喜びを感じています。ありがとうございました。
オーセブンからのコメント
想像力を掻き立てる「洋風庭園と和風庭園のコラボレーション」。公園というテーマから、アスレチックのような室内と室外を繋ぐ曲がりくねった公園が出来上がっているユニークな作品です。公園全体を紙面一杯に拡大したパースで、その面白さをもっと表現してもいいですね。・・・植栽や実際に使用する人のイメージがパースに入るとより雰囲気が出ると思います。
作品コンセプト
和風庭園と洋風庭園が混在した小さな公園
作図の感想・工夫
曲線で壁を作り、様々な庭が現れる構造になるように、工夫しました
オーセブンからのコメント
敷地いっぱいの回遊式の庭園に、巧みなCAD操作スキルで「様々な楽しみ」が計画された作品です。植栽計画はアート樹木で、丁寧に配置され、パースの「写り込み」まで気を使った仕上げで完成しています。アート樹木の「味」もでています。絵筆で描いたかのようなレタッチ・デザイン感のある(好感の持てる)風情でまとまっています。開放感のある主庭の池とデッキテラスから、そこでのんびり、ひなたぼっこを愉しめそうなスローライフ感のある作品です。
作品コンセプト
住人のプライベートが守られつつ、自然を感じる事ができる庭を考えてみました。プライベートを守るために周囲を垣根等で囲んでしまうと、圧迫感をもたらします。そこで、御簾垣等に隙間を空け、風が吹き抜ける回遊式の庭園を設計しました。
作図の感想・工夫
御簾垣を隙間を空けて重ねることで、風を入れつ遮蔽するようにした。ウッドデッキの高さを調節するのが難しかった。造園会社に就職するのでこれからもCADを活用していきたい。
沖縄県立南部農林高等学校 環境創造科 仲原 英斗様 「心豊かな家」
オーセブンからのコメント
勢いのあるパンチ力(訴求力)で迫ってきます。構図の奥行きの全幅に、遠近効果を前後で示す樹木や照明器具、椅子&テーブル、庭石の配置は、見る人を誘い込む技ありのパースで、作者の楽しそうに学習される(構図を撮る)姿が伝わってきます。色使いも鮮やかで、意図するところを盛り込んでまとめたプランの良さを1枚の絵でビシッとアピールできています。
作品コンセプト
安心して住めるようなお家。
作図の感想・工夫
人が住みやすいお家を作った。
沖縄県立北部農林高等学校 林業緑地科 比嘉 卓也様
「和 風 庭 園」
オーセブンからのコメント
高木、低木、樹種の異なる植栽計画を丁寧に幾度も練り直された努力の跡が窺える作品です。その結果、和風庭園の雰囲気がキチッと決まり、庭園としてのバランスの良さが仕上がっているのではないでしょうか。庭の奥行き感、植栽のボリューム、葉色のバランスを意識された庭パース(構図)の撮りかたです。庭園の雰囲気をも表現できている美しい仕上がりに完成しています。フォーカルポイントとなる樹木を配置したり、奥の池の雰囲気が表現されるとさらに良い作品になると思います。
作品コンセプト
こんな庭を造ってみたいと思って手がけ、細かいところには拘らずにシンプルな仕上がりにしました。
作図の感想・工夫
植物などを多く配置して灯篭なども並べたところや、さらに地盤の築山を使ったところを工夫しました。
多摩美術大学 美術学部環境デザイン科 冨士榮 宏将様・高梨 龍太様
「Sky Green Water」
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SkyGreenWater8 | ||||
オーセブンからのコメント
プレゼンテーション力が高く、提案力のある作品です。大学生になりますと、やはり実力がつきますね。蛇籠を使用した可動式の植栽プランター、壁面緑化など環境へ配慮した提案がわかりやすく表現されています。水盤と夜の明かりを取り入れた照明計画も素敵でした。日本古来の造園技術である蛇籠の良さ、水と緑が人々に与える印象の役割を現代風にうまく取り入れたプランをわかりやすく提案できている作品です。
作品コンセプト
京王線多摩境駅前オーたりー地下広場において、地域住民の不満と要望を解決しつつ魅力的な街のシンボルとなる人と緑と水の公共空間をデザインしました。
作図の感想・工夫
舗装、植栽、水・・・素材が空間に与える影響を考え、その空間での人のすごし方、雰囲気が伝わるよう、質感、空気感の表現にこだわりました。
授業やその他の時間にも作品に取り組んでいただいたみなさまと
コンテストへ向けて授業を調整してただいたり、生徒へ参加をお声掛け頂きました先生に
心より感謝申し上げます。