オーセブンCADコンテスト2022
特別賞受賞作品
「体験型の華やかなリゾート風庭園」
と「観賞型の穏やかな憩いの中庭」
株式会社マルカン
山川 郁子 様
作品コンセプト
住宅と調和する、対照的な2種類のお庭をデザインしました。
第一のお庭は「体験型の華やかなリゾート風庭園」。
第二のお庭は「観賞型の穏やかな憩いの中庭」。
感想と創意工夫点
住宅と調和する、対照的な2種類のお庭をデザインしました。
第一のお庭は「体験型の華やかなリゾート風庭園」。
リビングと直結するお庭で、掃き出し窓同士をウッドデッキで繋いだ、行き来がしやすいテラスの先には、広々とした開放感のある芝生のお庭。全面を高い塀で覆われたお庭の中心にはプールがあり、人目を気にせず自由に家族の時間を堪能できます。またこの庭にもう一つ直結するお部屋――サウナ部屋があります。サウナで存分に温まった後に、そのままプールへダイブ。内と外を無理に分けずに、あくまで同じ一つの家として使えるよう、導線をデザインに組み込みました。無駄を削ぎ落した、使い勝手のいい空間は、家族の笑顔を増やしてくれるのではないでしょうか。
第二のお庭は「観賞型の穏やかな憩いの中庭」。
このお庭も第一のお庭と同じく高い塀で覆われており、外からはほとんど見ることはできません。しかし中からであれば、様々な角度から眺めることができます。車を降りてすぐのガレージの奥に、玄関を開けてすぐの廊下の先に、目覚めてすぐの寝室の正面に、一息つく際の和室のすごそばに、臨むことができる空間です。どの角度から見ても「正面」と感じられるような、活け花を思わせる植栽配置を意識。しかしながら、塀にデザインパネルを埋め込むことで、同じ時間帯であっても見る角度によって、まったく違う印象の光を取り込む空間演出を行っております。日中は、変わりゆく太陽の光を切り取り、夜間はデザインパネルに仕込んでいる球状のライトが、広範囲をやわらかく照らしながら、複雑な影を落とします。先ほど、外からはほとんど見ることはできませんと記述しましたが、パネルを通してであれば、外からも少しだけ中庭を覗き見ることができます。
緑と光の鮮やかな空間は、見る人に癒しをもたらしてくれることでしょう。
オーセブンからのコメント
大型の実物件で、実際のプレゼンで使用されたものと思われる作品です。立面表現内で隣地の工場の窓位置を直接明示したり、パースへの寸法線を書き込みしたりと、打ち合わせ時にどこに力点を置いてお話しされたのかよく分かります。広い敷地ですが、隣地境界の細部に至るまで、実際のお施主様の生活を想定して丁寧にプランした内容で、お施主様にも説得力のあるご提案になったのではないでしょうか。