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有限会社近藤建材店
打ち合わせでお客様のテンションもアップできる

打ち合わせでお客様のテンションもアップできる|有限会社近藤建材店 お客様インタビュー


今回は、埼玉県川越市のエクステリア専門店、有限会社近藤建材店に取材のご協力をいただきました。
地元の有力なBtoB店から、BtoC 中心のスタイルに切り替え、2023年度「YKK APプレミアムパートナーズコンテスト」にも選ばれた同社の近藤佳和社長から会社についてのお話しを、工事部 営業設計の宮坂達也さんから「オーセブンCAD」ついてそれぞれお話を伺いました。




設計営業の宮坂さん
>オンライン初心者用講習で学習。感覚的な操作で楽しい「オーセブンCAD」
工事部 営業設計の宮坂達也さんは、以前はサッシ店で姿図を書く設計の仕事をしていたが、エクステリア業界に魅力を感じて有限会社近藤建材店に転職してきた。そこで始めて使ったエクステリアCADが「オーセブンCAD」だった。
最初はショートカットの使い方など、操作の違いに戸惑う部分もあったが、オーセブンの開催しているオンライン初心者向け講習を受講することで覚えていったという。
「オーセブンCADを使い始めてから使用歴は3年くらいです。以前の仕事では「AutoCAD」を使っていたので、初めて3DCADを使うことになりましたが、すごく面白いと思いました。
オーセブンCADは、感覚的に操作できるという感じです。積み木をポンポンと置いていくようなイメージでしょうか。それで簡単にどんどんと外構の形が出来上がっていくところが面白かったです」(写真:設計営業の宮坂さん)


>かけた手間以上のクオリティで仕上がる「建物デザイナー」
お客様に提案する図面には建物も入れてプラン提案をしているが、最初に「建物デザイナー」を使った時には驚いたという。

「もっといろいろ細かく設定を入れて建物を作っていくのかと思っていたのですが、意外とそうではなくて少しずつ情報を入れていくと1時間ほどで建物が出来上がってくる。それがとても1時間で作ったものとは思えないほどのクオリティなんです。
かけた手間以上のものが簡単にできて、お客様に建物を入った図面を見せると「これ、ウチだ!」みたいにすごくテンションが上がってくれます」(宮坂さん)




>オリジナル商品をゲーム感覚で作成できる『eE-Former』。レンダリングエンジン『橘』は更に早くきれいに
宮坂さんは製品加工ツール『eE-Former(イーフォーマー)』を活用して、登録されていないメーカーの商品を、似たフォルムの商品から少しずつ形を加工して近づけて作ることもある。
一度作ってしまえば、登録して利用できて使いやすいのだという。

「商品として存在していないもので『こういうものがあったらいいな』という商品をイメージとして作って図面に入れることもあります。
色も細かく変えられるので使い勝手はすごくいいですし、ゲーム感覚でできるのが面白いですね。
いろんな機能がオンラインセミナーを受けただけでできるようになるのは、やはり『オーセブンCAD』の操作性の良さがあるからですかね」(宮坂さん)

また、同社ではレンダリングエンジン「橘(たちばな)」も活用している。
最新のバージョンアップにより、より速く、よりクオリティの段違いのレンダリングができているという。




>3Dの画像を見ながらお客様の前で提案を作成。VRは作成も簡単で、提案に必須のアイテム
同社では、モニターを使ってお客様に見ていただきながらプランを作ることもあるが、お客様が一緒に作っていく感覚になって打ち合わせがすごく盛り上がることがあるという。

「平面図ではなく3Dの画像を見ながら直接商品を置いて作っていけるのがありがたいです。VRを見たときもすごくお客様が喜んでくれるので作成も必須になっていて、お客様にQRコードを渡してスマホ等で見ていただいています。
VR作成はいつもより少しレンダリングに時間がかかりますが、カメラの項目を押しておくだけなので意外と簡単です。
動画まではまだチャレンジしていませんが、いずれはやってみたいと思っています」(宮坂さん)




提案プラン


完成施工写真
オーセブンCAD を使って近藤建材店で提案したプラン(上)と、実際の完成施工写真(下)



有力BtoB店からわずか3年でBtoC主体に転換埼玉で必ず外構工事の選択肢に入る会社を目指す


埼玉県川越市でエクステリア専門店を営む有限会社近藤建材店。
昭和48年の創業時は、社名の通り、近藤社長の父親である先代社長が左官材料等を卸す建材店としてスタートさせた。
だんだんとホームセンターが増えて材料を揃えるようになったことで、建材販売から、左官とタイルに特化したリフォーム工事を受けるように業態を変化させる。
ちょうど卸先の左官屋さんも住宅内装工事が減っていく中で、自然とエクステリア・外構工事専門会社へと移行していった。
近藤社長は、中央工学校・建築設計科を卒業後、建設会社に就職し、設計・現場監督等を行っていた。
近藤建材店が外構に力を入れていくタイミングで、会社に戻るよう声を掛けられ、近藤社長の入社後に、外構や住宅基礎工事を行う専門会社になっていっ「しばらくして大手のハウスメーカーさんから外構の下請けの仕事をいただけるようになりました。




近藤社長
最初は私が手書きで設計を書いていたのですが、件数が増えて追いつかなくなってきたので外注でCADの設計支援をお願いしたのがオーセブンさんでした。
更に設計支援の数も多くなっていったので、自社に設計の社員を入れて『オーセブンCAD』を導入しました。オーセブンさんとはその頃からのお付き合いです」
ただ、近藤社長自ら「オーセブンCAD」を触ることはなかった。これには近藤社長の徹底したポリシーがあった。

「一時期、自ら現場に出ていた時もあったのですが、職人さんと一緒に現場に出ていると充実して仕事をした気になる。ただその現場が終わってみると、次の仕事がないということがありました。
同じようにCADで時間をかけて立派な図面を作っていると仕事をした感はありますが、会社の仕事は増えていかない。
少しでも覚えてしまうと、つい自分で作ってしまいたくなるので、自分は営業的なところに力を入れていこうとCADは全く触らないと決めました」(写真:車とバイクが大好きという近藤社長)


そのような近藤社長の営業力もあり、3社の大手ハウスメーカーの外構工事を数多く請けるようになっていく。
その後、近藤社長が協力業者会の会長職に就いたり、ハウスメーカーのの外構工事を埼玉で一番多く施工する有力施工会社になっていった。
しかし、近藤社長は3年前に大きな会社の決断を行うことになる。
国内の新築住宅着工需要が半減していくと言われている状況を鑑み、会社の将来を考えて、ハウスメーカーの下請け工事中心から、BtoCをメインとしたエクステリア専門店へと大きく舵を切った。

「長くハウスメーカーさんとやってきたので、信頼関係もできており、大きな不満はなかったのですが、先のことを考えてコロナ禍前くらいからホームページを開設したりしていました。
その後、会社の体制を徐々に変えていき、以前は20名以上いた社員職人さんに協力外注班になっていただきました。
今は社員職人は3名にし、その分設計担当を1人から3人に増やして、職人特化型の会社から、設計提案型の会社へと移行しました。
ほぼBtoBだけだった状況から、この約3年間で、7割がBtoCに切り替わりましたので『この短期間でよくそこまで切り替えができたね』と言われることも多いです。
現在、10数班の外注班を使っていますが、売上的にはBtoBの頃と比べても大きくは変わっていません」(近藤社長)




>近藤社長の建築士の資格が差別化に。社員にも資格を取らせていきたい
現在同社では、小さいリピーターの追加工事等を除くと平均受注単価が350万円くらいと埼玉でアッパーミドルクラスのお客様が多くなっている。
ハウスメーカーでの工事実績による信頼とお客様をファン化させる施策により、薄利多売ではなく、時間をかけて中身のある提案で一棟当たりの契約単価を上げるようにしている。
富裕層のお客様への対応は、長年付き合ってきたハウスメーカーの対応を見て学んだところが多いと近藤社長は言う。

「BtoBだけでやっていた頃は、自分たちで営業したり提案する必要がなかったので、私は元請けさんとの付き合い、人脈作りが仕事のメインでした。
だから、展示会に行って勉強する必要もなかった。今は会社みんなで積極的に学びに行くようにして、少しずつ実績も出てきましたし、設計担当者が優秀なのでいいデザインが上がってくるようになりました。
当社では 『お客様の予算通りのもの』、『それよりこだわった提案』、『一番いい提案』の3パターンのプランを出しています。
そうすると、真ん中の提案か、一番上の提案を8割くらいにしたものに落ち着くことが多いですね」(近藤社長)

今では設計力がお客様に認められ「このデザインのままでいいです」と言われることも増えてきているが、手間をかけて設計担当がプランを出しているので、なかなか結論の出ないお客様は一度引くことも大事で、お客様の本気度を図り、導いていくのが近藤社長の役目なのだという。

「『一番いい提案』に決められなかったお客様でも、理想形を見せておくことで2年後にリピーターとして追加工事できてくれた方もいます。
また、金額が折り合わずに一度お断りされたお客様が他社に行ってから戻ってくるということもあります。
例え単価が安い案件でも、一工夫入れないとお客様には刺さらない。
最近は、コンクリート土間と機能門柱だけでいいというお客様には、私が電話を受けた段階で『当社はデザイン性を大切にしている会社なので、それだとどこの会社に依頼されても同じだと思いますので、もしより良いお庭のご提案をご希望であればもう一度ご連絡ください』と半ばお断りしてしまうこともあります」(近藤社長)

また、最近はデザイン性を前面に押し出しているが、「YKK APプレミアムパートナーズコンテスト」でも表彰されたように近藤建材店はガレージ・カーポートに強い会社でもある。
これは近藤社長自身が車とバイクが大好きという強みを生かした特長である。
同じ趣味を持つお客様とも話が合って意気投合できるということもあるが、近藤社長自身が建築士の資格があり、確認申請のノウハウがあることが他社との差別化にもなっている。

「BtoBの時にも資格の重要性を肌で感じていましたので、私自身、建築士の他にも一級土木施工管理技士、一級エクステリアプランナー、ブロック塀診断士の資格を取り、それが今も生きています。
社員にも日建学院の支援などもしているのですが、日々の業務を忙しくさせてしまっているのでなかなか難しいみたいです。
無くても仕事ができてしまう業界ですが、資格を持っていることでお客様への提案の重みも違ってくると思うので、何とか取らせてあげたいですね」(近藤社長)




>埼玉のエクステリアはまだまだ伸ばしていける。BtoCのメリットを圧倒的に感じている
現在、近藤建材店は全体で14名の社員で、営業範囲を埼玉県全域としているが、基本的には何か起きた時にもすぐに対応できる、さいたま市から川越市などが中心となっている。
ゆくゆくは、100%BtoCに切り替えていき、比較的富裕層をターゲットとした地域密着型のスタイルで、近い目標としては、売上高5億円を目指している。
近藤社長が持つ建築士の資格を生かして、外構以外の分野に取り組む可能性をお聞きすると「エクステリア業界で長くやってきて自分の得意のフィールド以外のところにお客様に巻き込むのは本意ではないので考えていない」と近藤社長は言う。
埼玉県は立地的に恵まれており、まだまだエクステリアの仕事は多くあると思っている。
コロナ禍後の巣ごもり需要が終わった後も順調に売上を伸ばしている同社。
最近はなんとなく嫌な雰囲気も感じなくはないというが、それでも住宅や他の工事に比べればエクステリアはやり方次第でいくらでも伸びる余地があると近藤社長は考えている。

「BtoBからBtoCに徐々に切り替えてきて、メリット・デメリット両方感じてはいます。
BtoBは元請けさんの設計に沿って従事していればある程度安定して仕事をいただける。
BtoCだと受注率の変動はありますが、メリットの方が多く、お客様の夢が詰まったお庭が完成した時にいただける笑顔・喜びの声は格別です。
また現在は、エクステリアのメーカーさんが需要創造でいろいろなことを考えられているので、今後その動きに一緒に取り組んでいくという新しいビジネスモデルもあるかもしれません」(近藤社長)

会社の最終的な目標としては、埼玉県で地域一番のBtoCのエクステリア専門店として、10億円の売上にまで持っていき、一定の地位を確立したいと近藤社長は考えている。

「埼玉で外構を頼もうと思ったら近藤建材店には声をかけようと、必ず選択肢の1つに入る会社にしていきたいと思っています。
そこまでくれば、社員や職人さんたちが困らない程度の一定の仕事が常に入ってくるようになる。
そのために、まずは社員数も徐々に増やしていきたいと思っています。
今はまだ私が営業的なプレイヤーをしてしまっているので、それを設計営業の担当に全て任せられるようにしていきたい。
昔は一人のスーパースターがバリバリ働いてその分たくさん給料を持っていくと感じでしたが、今は激務の中で頑張って売り上げを上げるという時代ではないので、人の数を揃えてみんなが楽しく働ける会社にしたいと思っています」

最近は、これから先のエクステリア業界の担い手のことも考えて、自分の会社だけでなく業界全体が良くならないといけないと考えるようになってきたという近藤社長。
今後、エクステリア業界の発展のための活動や情報発信にも期待していきたい。




月刊エクステリアワーク|2024年9月号掲載記事
有限会社近藤建材店
https://kondo-ex.jp/