【コラム】2010/12/11
WikiLeaks（ウィキリークス）はどこへ行くか
情報化時代に起こるべくして起こった事件です。たとえ創始者のジュリアン・アサンジを逮捕しても問題の解決にはならないでしょう。この問題をどのように捉えるべきなのでしょうか。
ニューヨークタイムスはWikiLeaks（ウィキリークス）からの暴露情報を国務省に持ち込み ニュースとして流すことを止め、自らペンを折ってしまいました。これは今迄のジャーナリズムはかなり政権よりのニュースを流していた証拠ともいえます。この問題は既存ジャーナリズムに混乱と衰退をはっきりさせ、ジャーナリストとしての存在意義を失なわせたと云えます。大きな問題ですが日本では 酔っ払いを隠れ蓑にして ほとんど報道されていません。
Wikipediaによれば「WikiLeaks（ウィキリークス）は、匿名により政府、企業、宗教などに関する機密情報を公開するウェブサイトの一つ。創始者はジュリアン・アサンジ。投稿者の匿名性を維持し、機密情報から投稿者が特定されないようにする努力がなされている。・・・」
WikiLeaksは国家機密を盗み出し 暴露することで 国家を危機に落とし込む 9・1・1と同じ情報テロだと言う人もいます。たしかにWikiLeaksは情報時代の核弾頭だとも云えます。ビン・ラディンと同じように国際手配されました。
しかし核に戦争抑止力があるように、WikiLeaksにも戦争や不正を抑止する力があり 平和に貢献するといえます。
一般の会社でも 社内の不正がリークされることを考えれば やってはいけないと自制して 世の多くの不正が抑止されていると云えます。リークによるコンプライアンス効果です。
WikiLeaksは、情報化時代ならではの平和の装置と云えます。この装置に期待は大きくなりそうです。
権力の横暴を防ぐとして暴露記事を書いていたマスコミでしたが 意図を持ってに暴露していたといえます。 それに代わる機能が このWikiLeaksです。
関係国では WikiLeaksに対し経済的な封鎖やネットへのアクセスを停止したり 必死で妨害活動をしています。創設者のジュリアン・アサンジは壊れたコンドームのまま行為をしたという容疑でイギリスで警察に出頭し逮捕されました。
情報化時代で政治も変化しています。歴史的エポックとして捉えるなら、国家統治体制の変化の兆しではないでしょうか。様々な問題を抱えて自ら解決能力を失ってしまった間接民主主義から、ネットを使った多くの民意を拾いあげることができる直接民主主義への移行期の問題として起こった事件ではないでしょうか。民意を構成したマスコミも同時に衰退してニュース元に直接アクセスするネットでやり取りになっていく過程だともいえます。
情報革命がもたらす最終段階の一つは 政治体制の変革だといえます。いままでのような二大政党など非効率で問題解決能力を失った政治体制を 民意で動かす政治システムができるのは IT化が進むことで可能になると思います。SNSやTwitterなどので市民の意見を纏めて自分たちの国の選択をする時代がくることでしょう。
