クレマチス
病院に行きました。寒くなって風邪をひく人が多いですね。病院は混んでいました。しかし、いつも混んでいます。血圧降下剤の処方箋を貰うためだけに、1時間も待たされます。10年も同じ事を続けています。

病院は典型的なお役所仕事です。全ての仕事は先生の指示がないと動かない仕組みです。規制でがんじがらめで、改善は簡単ではありません。

日本の家電メーカーが国際競争力を失っているのは為替の問題だけではありません。会社の体制が垂直統合型で、上からの指示待ち仕事が多く 新商品の開発もぱっとせず 非効率になっています。また自分のところで何でも抱え込んで利益率を落としています。

実は病院も同じです。医師の判断がなければ看護師は手を出せません。先生の診察が始まらないと何も出来ないので 患者は待たされます。 人の命をあずかっている仕事だからという建前が勝ちすぎると指示待ち仕事になり どうしても時間が掛かることになります。 10年も続けている血圧の薬をもらうのに医師の判断が絶対でしょうか?先生とて、くだらないとは知っているんですが。

垂直統合から水平統合型にすれば 混んでいる病院もすっきりします。極端に云えば 患者自身が自己責任で薬をネットで購入できるようにすればいい訳です。そこまでできなくとも看護師さんなどに権限を分散し、分に応じた責任を分担すればもっと快適な病院を作ることが出来ると云えます。

すべての医療責任を医師に押し付けると結果的に私たちは時間とお金と手間のかかる不経済で不合理な病院を持つことになってしまいます。

仕事を柔軟にこなすには 責任を分散し一人ひとりが活躍できる仕組み作りが必要です。それが水平統合型の複雑系と云われる仕組みです。医師だけでなく看護師さん達も判断ができる複雑系体制を作らなければ お金と時間の掛かる医療になりいずれ健康保険制度も破綻してしまうことになるのでは無いでしょうか。

さて複雑系ですが、昔の電話は交換局に制御機能を持たせていました。交換局がいわば指示を出す先生です。先生の指示で端末が働きます。しかし インターネットには交換局はありません。 端末同士が直接結びつきます。 端末は携帯、スマフォ、タブレット、パソコン、サーバーなどデバイスは多様です。端末がそれぞれ判断して動くので規模が拡大しても問題は起こりません。インターネットは複雑系です。交換局である医師の指示で動くのではなく、各デバイスの医療従事者全員で対応すれば 病院は活性化します。交換局でインターネットをやっていれば破綻していたでしょう。

日本の改革は待ったなしのところです。早く変革が進まないとガラパゴス日本になってしまうのでは無いでしょうか。会社も複雑系の会社組織にして社員のヤル気を引き出して売上アップ 品質向上を叶えたいものです。