全国に向け作図支援をしております設計室の受注件数は、月に400件をゆうに超えております。
図面を描くだけのこちら側には見えない、「競合」という、お客様同士の戦いを垣間見た出来事をご紹介いたします。


数年前のある日、いつものように図面依頼のＦＡＸが次々に入ってくる中で、同時に２社のユーザー様から、同じ物件（大型の戸建）の図面依頼がありました。
Ａ社は、バリバリのガーデンデザインの図面、納期は大特急。作図時間も７時間くらい、結構かかりました。工事の価格もそれなりに高かったように思います。図面は線画の仕上がり感で、当時の設計支援でも主流のものでした。
サンプル線画仕上げ









Ｂ社については、普通の門周り外構図面、納期も5日以内のゆったりペース。作図時間は標準程度で3時間といったところ。工事の価格は高くもなく、妥当という感じ。図面は、当時、最新のＣＧ仕上がりでした。
サンプルＣＧ仕上げ









比較してみると
デザインは＿Ａ社
図面の仕上がりは＿Ｂ社
施主との打ち合わせから提案までのスピードは＿Ａ社
工事金額は＿Ｂ社（安い）

どちらの会社が競合に打ち勝ったと思われますか？

数日後、図面の修正依頼が入ってきたのは、Ｂ社の方で、施主様との話が進んだようでした。
値段と図面で決まったと大変喜んでいらっしゃいました。
その結果を受けて、Ａ社の図面を描いたオペレータが「作図大変だったのに〜」と残念がっていたのを覚えています。
今日もどこかで、色々な競合、勝ち負けがあると思います。ここで重要だと思われたのは、工事金額はもちろん安いに越したことはありませんが、デザイン性重視もありますので、お施主様のご希望をどこまでくみ取れていたかによると思います。ご意見をお聞かせください。