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35mmフィルムの時代と比較しますと、ぱちぱちと気軽に写真を撮れる時代になりました。デジタルならば現像もいりませんから、早い安い簡単で、世界に広がりました。 デジタルカメラが市販され始めたのは今から約20年前です。 Windows95が発売されたのも20年前です。 インターネット時代の入り口でした。


デジタルカメラは、パソコンとセットで使います。 デジタルの写真をパソコンに読み込んで、大きい画面で見たり、メールで送ったりできます。 市販当初はまだ画質が低く印刷には不向きでした。 しかしインターネットの世界にはちょうど良いものでした。作られ始めたホームページにはデジタル写真が盛んに使われました。

2000年を過ぎたあたりから、デジタルカメラの大きな波が市場に広がります。 フィルムカメラでは実現できなかった小型、薄型のモデルが登場し始め、印刷にも耐えられる画素数のモデルが出始めました。動画を撮れるモデルも発売されるようになりました。 ブログがインターネット上に登場したのがちょうどこのころです。 デジタル写真とブログの切っても切れない縁が始まります。

さらに5年たった2005年はSNS(インターネットを使った社会的な交流サービス)元年と言える年です。facebook、mixiが本格的に拡大を始めたのがこのころです。 私生活の様子などを写真付きで投稿するのが定番スタイルのSNSのなかで、デジタル写真はいよいよ情報発信の主役になります。 そんな中、デジタルカメラの牙城を崩す存在が現れました。それが2007年に発売されたiPhoneです。スマートフォンの時代が始まります。

2011年にインターネットの世界にLINEが登場します。LINEはスマートフォン(等)の上で家族や友人とリアルタイムに文字や映像、音声で会話をするサービスです。LINEではたった今の写真や動画を撮ってすぐに流してゆきます。この世界ではデジタルカメラの役割は終わっています。スマートフォン搭載のカメラがそれに取って代わっているのです。

先日、写真SNSのひとつflickr(フリッカー)が、flickr上に掲載されているデジタル写真を撮影した機器の内訳を公開しました。 flickrは自分の写真を整理したり公開したりできるインターネット上のサービスです。掲載されている写真を見るとわかりますが、「写真を趣味とする人」が多いという印象を受けます。そんな中、撮影機器全体の約40%をスマートフォンが占めています。スマートフォンの増加傾向は2014年からさらに強まっており、今後デジタルカメラの領域をさらに奪っていく状況がうかがえます。

 http://blog.flickr.net/en/2015/01/13/camera-ownership-on-flickr-2013-2014/


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http://blog.flickr.net/ より

Panasonicなどのコンパクトデジカメ主体のメーカーはシェアを下げる一方で、モトローラやLGなどのスマートフォンが増えてきています。 カメラメーカーの勢力図が変わろうとしています。

写真芸術の世界では、三脚を据えてじっと待つ時代から、シャッターチャンスを逃さないスピードの時代に移ってきているのではないでしょうか。 手間のかかる高級品を使って時間をかけて作るよりも、軽くスマートな道具で軽快に走り抜ける。 つまり、「軽く、速く、高品質」 今はこれなのでしょうね。