【コラム】2017/11/01
ソフトウェアは何故バージョンアップするのか
2008年の夏にリリースされたオーセブンCADのバージョン8(8.5)が、この11月でサポート終了となります。 発売以来10年近くの月日が流れましたが、今でも十分に使える、完成度の高い商品だったとご評価を頂いております。
サポートが終了するという間際ですが、未だにバージョン8のユーザー様はいらっしゃいます。バージョン8以降、4度のバージョンアップを経ていますが、バージョン8は作図スピードも速く、パースもきれいですので、今でも十分にCADとして競争力を持っているとご判断いただいているのだと思います。
オーセブンCADに関わらず、バージョンアップは頻繁に行われます。 一例をあげますと、MicrosoftのWindowsのバージョンは「10」、AppleのiOS(iPhone/iPad用基本ソフト)のバージョンは「11」、年賀状ソフトで有名な「筆まめ」の現在のバージョンは「28」です。完成したように見えるソフトウェアでも、なぜこれほど頻繁にバージョンアップするのでしょうか。
ソフトウェアはそれ単体では機能しません。ハードウェア、他のソフトウェア、インターネット、ユーザーを考慮して機能や性能を作っていかなければなりません。それは、裏を返せば、ハードウェア、他のソフトウェア、インターネット、ユーザーの何かが変われば、ソフトウェアも一緒に変化しなければならないという事を意味しています。 その変化が、バージョンアップという形になって表れてきます。
Apple社のiOSは毎年バージョンアップしていますが、今年のバージョンには標準の「カメラ」アプリにQRコード読み取り機能がついています。 Apple社は、ユーザーの取り巻く環境を見て、今それが必要だと判断したのです。逆に言えば、日本発のQRコードもついに世界標準の2次元コードになったと、iOSのバージョンアップを見ると理解できます。
ソフトウェアメーカーにとって、最も対応が難しいのが多様化するユーザー要望です。ユーザー様は十人十色、メーカーの想定を超える方は多々いらっしゃいます。バージョン8をお好みの方から、最新バージョンのもっと先を要望される方まで様々です。今回バージョン8のサポートは終了させて頂きますが、ソフトウェアメーカーが時代の流れについて行くため、とご理解いただけたらと思います。