【コラム】2018/02/22
インターネットの広告
世界で最も使われているインターネットの検索エンジンを運営するGoogle(グーグル)は、自ら開発して無償配布しているブラウザソフトのChrome(クローム)上で「悪質な広告」を表示されないように更新したそうです。
ブラウザソフトを使ってインターネットの情報サイトやSNSの画面を見ているとき、必ずと言ってよいほど画面のどこかに広告が表示されています。画面の端にバナー広告が出ている場合も多いですし、記事の一覧に広告がまぎ込んでいて、クリックしてみて初めてそれと気づく落とし穴のような広告もあります。
インターネットから様々な情報を集めようとすると、広告は基本的に邪魔な存在で、なければよいと思う人も多いのではないでしょうか。私も外国の高級車のホームページを眺めた後、(全然買うつもりはないのに)その高級車の画像にしばらく追いかけられて閉口した覚えがあります。
そんな状況の中でGoogle社のChromeから悪質な広告を排除するというニュースが目に留まりました。あの煩わしい広告から逃れられるのかと、ちょっと期待してしまいましたが、現実はそうではありませんでした。画面全体を覆うなどの「超悪質な広告」を排除するだけの更新でした。
あたらしいChromeで禁止される広告は、画面全体を覆うようなものや、いきなり音楽を流すようなものなど、私たちがめったにお目にかかれないくらいひどいものばかりでした。これは、ユーザーの広告への不快感を最小限に食い止め、その上で広告をより適切に機能させるための措置だと思われました。
Googleは時価総額で世界題2位(2018年1月)の巨大企業です(正確には持ち株会社のAlphabet社)。その企業の収入の90%が、インターネットの広告だと言われています。 Googleのビジネスの中心にある広告事業を今後も伸ばしてゆくために、一部の悪質な広告を排除してより健全な(きちんとクリックしてもらえる)広告にして行くという事なのでしょう。
悪質な広告には、Googleから警告が届き、改善の手引きをするというシステムになっているそうです。Googleにとっては広告主こそ真の顧客です。今回の措置は、ひとえに広告主の利益を守るためのものだと理解できます。ユーザーとしてはちょっと残念ですが、広告への不快感が多少は改善すると期待したいと思います。