新年の初競りで、大間のマグロを大手すしチェーン店が3億円余りの史上最高値で落札したニュースがありました。新年から景気のいいことです。
278kgのマグロを全部すしにすると、概算では大体9000カンくらいでしょうか(全重量の60%をすしにできたとして、1カン20グラムで計算)。 落札額の3憶3000万円を9000カンで割ると、1カン当たり、36,666円ですね。 落札したすしざんまいでの売価は、大トロは1貫398円、中トロは298円、赤身は158円とのことですから、原価の方が売価より100倍高いという事です。
つまり、購入した価格の99%は、宣伝広告費という事になりますね。3億円以上の広告費です。すしチェーン店がどれほど儲かる商売なのかは分かりませんが、広告費としてここまでの金額を投入する価値があるのかは疑問です。年初の初競りですしざんまいの名前はよく聞きますが、私は一度もその店を利用したことはありません。理由は簡単で、近所にすしざんまいの店舗がないからです。
調べてみると、すしざんまいの店舗は、関東を中心に全国で65件ほどあります。これらの店舗が生活圏内にある人にだけ、この広告の効果はあると云えます。この手のビジネスに全国ネットの広告はそこまで効果を示すとは思えません。ちなみに、3億円の広告費を65店舗で割ると、1店舗当たり約462万円になります。社員全員に100万円のボーナスを出した方が良いと思うのは、私だけでしょうか。
一方で、宣伝広告費の使い方が上手い例もご紹介します。こちらも新年に話題となった、ZOZOタウンのツイッター広告戦略です。ZOZOタウンのツイッターをリツイート(自分のグループに転送配信する)するだけで、100名に100万円をプレゼントするというものです。ZOZOタウンはインターネットで服を売る会社です。その顧客の中心部分に対して情報を流す戦略で、この記事を書いている今、370万リツイートを超えています。
つまり、ZOZOタウンの直接的な顧客に一人当たり(正確には1送信当たり)27円で広告を送りつけたことになるのです。これは、広告費としては極めてコストが安く、効率が高いです。 おまけに、このZOZOタウンのツイッターの件もテレビを含むニュース媒体から配信されていますので、ZOZOタウンの前澤社長、してやったりと思っているのではないでしょうか。