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息子が通っている小学校から、手紙が来ました。「二学期の通知表は、三学期の初日にお渡しします」という不思議な連絡でした。 


通知表が遅れる理由は、「システムトラブルの為」だそうです。何かと思って調べてみると、ニュースになって世間を騒がせている自治体クラウドの大規模障害の影響でした。練馬区の小学校の通知表は、クラウドのシステムで作られているのだとはじめて知りました。

報道されている情報では、データを保存するストレージのファームウェアのアップデート内容に不具合があった為とのことです。ファームウェアとはパソコンなどの機械を動作させるためのプログラムで、今回の場合はデータを保存するディスクの読み書きそのものに問題が出るかなり致命的なものです。

システムを提供した日本電子計算としては、それまで正常に動いていたシステムがハードディスクのファームウェアをアップデートしただけで動かなくなるという事態に直面して、びっくり仰天したと思います。責任の所在は不明瞭ですが、同じソフトウェア会社として同情の念が湧きます。

今回のシステムはIaaSというクラウドサービスの一種です。自治体はソフトウェア全体をサーバー上に共通化して、クライアントのPCにはシステムをインストールしなくても同じように使える便利な仕組みです。この仕組みの強みは、システムの組織内の展開をすばやく行えたり、別のシステムに簡単に切り替えたりできることのはずなのに、今回のトラブルのようにストップして復旧に時間がかかる様子からして、良いシステムとはいいがたいですね。

システムの持つ長所だけを比較して基幹システムを選択すべきではありませんね。これからの日本は、災害や停電が多くなる可能性があります。サーバーがひとつ動かなくなるだけで業務が進まなくなるような仕組みは、避けて通るべきでしょう。