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2013年11月。千葉県香取の里山で始まった、新しい住まいかた提案の実験場【千葉ラボ:古民家再生 "New garden life" 】。その密着取材レポートです。【ものづくり】【庭づくり】【野菜づくり】の、なにこれ!をつぶやきます。
◆3月:千葉ラボの春
◆今月の特集:【味噌づくり】


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千葉ラボ:撮影時期 2019年2月9日
 今号の特集は、【味噌づくり】です。薪で茹で上げる工程と、味噌をゆっくり熟成させる、千葉ラボ亭主オリジナルの食品庫(味噌蔵)他 をご紹介します。


・・・ 3月 千葉ラボの春 ・・・

1)千葉ラボの春: 孤高の桜
 毎年、3月花曇りの頃、千葉ラボ亭主はカメラを手に、ご近所の高房神社へ出かけます。神社の境内の外に、ひっそり自生する一本の桜の木を、花が散る前に撮っておきたいからです。
 ・・・シャッターを切りながら亭主曰く、「孤独で深い慈愛に溢れた、孤高の桜です。」と前置きして、「少しづつ腰が曲がり、斜めに傾く老木ですが、背筋を伸ばし、凛として花を咲かせ、私には『元気でしたか・・・』と、母のような慈しみをかけてくれるのです。」


孤高の桜:撮影20180330 腰が曲がった孤高の桜:撮影20160405 孤高の桜:側面から撮影20190408 孤高の桜:撮影20180330 高房神社に向かう道:20140402
孤高の桜:撮影20180330

2)千葉ラボの春: 初春の草花 (画像をクリック:拡大します)


 ここに ご紹介するのは、 1月~3月、千葉ラボの庭に咲いた草花です。自生の「ふきのとう」や「山桜」「白梅」を除くと、すべて千葉ラボ・ガーディナーによって、植えられたものです。多くの植物が芽吹く前の 殺風景になりやすい冬場のこの時期、花に囲まれると 元気がでます! 
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ふきのとう
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日本水仙
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吹上げ絞り:椿
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山桜
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らっぱ水仙
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ヤブ椿
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クリスマスローズ
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ビオラ
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クリスマスローズ
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ゆきやなぎ
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ミモザ
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乙女椿
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スノードロップ
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アネモネ
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水仙ホワイトペーパー
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ヒイラギナンテン
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芝桜
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デイジー
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菜の花
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白梅

3)千葉ラボの春: クリスマスローズの日傘 (撮影2017年9月)
  「冬場に、千葉ラボの庭で、うつむき加減に大きな花を咲かせるクリスマスローズですが、暑さに弱いのですよ」 という千葉ラボ・ガーディナー。真夏のサポートが欠かせず、強い日差しから守る、クリスマスローズ専用の「よしずの日傘」を、毎年、用意しているそうです。
(画像をクリック:拡大します)


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日傘設置場所:バラ園
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日傘設置場所:菜園B
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日傘設置場所:菜園B
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日傘の骨組み
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日傘設置場所:バラ園
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日傘設置場所:バラ園


・・・ 特集 味噌づくり ・・・

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大豆 5㎏
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麹 6㎏
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塩 2㎏

1)味噌づくり: 千葉ラボの作業工程
 味噌づくりは、千葉ラボの年中行事です。2016年2月27日から始まって、今年(1月25日)で5回目になります。大豆は今回も、ご近所の農家さんから、味噌専用のものを 分けてもらいました。「昔から、寒の時期に 味噌づくりをすると、雑菌を抑えてうまくいく。」と、千葉ラボ亭主。








1)味噌づくり 3日前  →
  大鍋、お釜、鍋蓋などを洗い天日干し。
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2)味噌づくり 1日前 ↑
大豆は水洗いし 前日より うるかします。
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3)一晩水を吸って 丸い形の大豆が 長方形になりました。井戸水を使用。
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4)味噌づくり 当日:2020年01月25日↑
水量は 大豆がひたひたに 水をかぶる位 入れます。大鍋もお釜も 同じです。
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5)午前8時30分 スタート


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6)薪で茹でます。沸騰する迄 一気に燃える 細目の薪を使用。吹きこぼれに注意します。次いで、太めの燃えにくい薪で ゆっくり茹でます。 弱火で だいたい4時間前後。 茹で加減は さし水をして 吹きこぼれないように ゆっくりです。↑
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7)大豆は茹で上がってくると 黄色く 色が変わってきます。 時々食べて 大豆の硬さの度合い(茹で加減) を確認します。↑
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8)4時間から5時間 茹でると 指にはさんで つぶせるほど 柔らかくなります。硬いと 豆をつぶす機械に入りません。 つぶせる 柔らかさが必須です。↑
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9)大豆が 柔らかくなったら すくい上げ 粗熱をとって 冷やします。↑ 麹と混ぜる時 温度が高すぎると 麹菌が 死んでしまうからです。
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10)麹に 塩を混ぜます。↑
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11)麹に塩を混ぜて それを大豆に混ぜて 潰す準備に入ります。↑ 割合 豆:麹:塩= 5:5:2 
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12)大豆を すりつぶす機械です。毎回、こんな状態になります。↑
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13)塩と 麹と 大豆の皮も実も 機械につぶされ、押し出されてきます。↑
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14)機械から出てきた味噌は 桶に 隙間なく入れます。空気と遮断する ポリシートなどで覆います。↑
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15)冷暗所で1年、ゆっくり熟成させます。手創り味噌のおいしさは「時間」をかけることですね。↑

2)味噌づくり: 食品庫
 千葉ラボ亭主は、味噌を ゆっくり熟成させるために、【床下から空気を取り込み、天井裏へ換気する】味噌蔵を作りました。・・・亭主曰く「味噌やぬか漬けなど 発酵食品は 多くの人の伝統を受け継いだ 知恵の結晶ですね。それも、生活習慣や地域性、多様な作られかたで、味が変わります。奥が深いです。」









【食品庫の換気口】
床下から 空気を取り込み 天井裏に換気します。 ほぼ外気温で 味噌を熟成させます。

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食品庫:味噌&漬物蔵
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食品庫:引き戸(開いた状態)
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食品庫
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食品庫:引き戸(閉じた状態)
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食品庫:空気を対流させる すのこ棚
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棚受けダボ

3)味噌づくり: 「大鍋」と「羽釜」
 ・・・昔からある「羽釜(はがま)」 は、いいですね。「鍔(つば)」があると、カマドから持ち出せ易く、実際にお米や豆などを炊いてみると、その良さを感じます。鍋底が丸いので輻射熱や炎の対流で温めやすいし、炊いている最中に対流を起こして、美味しく炊けるというか、火の通りがすばらしいですよね。熱効率を考えると、鍋底が広く平らな方が良いと思いがちですが、実際に大鍋を使ってみると、そうでもなく、大鍋のほうが焦げ易い。だから、豆を煮炊きするのは、羽釜に限るという、千葉ラボ亭主。


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千葉ラボの羽釜:Φ38㎝×H37.5㎝
材質:アルスター鋼板 3升~4升用
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左側:大鍋 と 右側:羽釜
撮影20180130

4)味噌づくり: 「カマド」
 豆を煮炊きするカマドは、スチール(アルスター鋼板)カマドの他に、レンガやブロックによる手作りカマドでもやってみました。たまたま、二つ目の専用カマドが無かったので、とりあえず手作りしましたが、これは、スチール製カマドの方がいいですね。作業効率が良く、煮炊き中も、後かたずけも楽で、今年(2020年)は、スチール製を買い足しました。


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ブロック積みカマド
撮影20170225
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レンガ積みカマド
撮影20190213
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スチール製カマド
撮影20200125

5)味噌づくり: 「薪」
豆を5~6時間炊く薪は、燃えやすい細いものと、燃えにくい太いもののふたつを用意するといいですね。沸騰するまでは細い薪。後は時間をかけてゆっくり、太目の薪を使います。
 味噌づくりで使う「薪」の量は、そんなに多くはないですよ。ホームセンターで売っている薪2束ぐらいで十分だと、亭主は、5回の味噌づくり経験を話してくれました。

 千葉ラボ亭主の仕事の1/4を占めるのが、薪ストーブやお風呂、味噌づくりに必要な「薪づくり」。ご近所の紹介で、休眠地の不要な丸太や枯れ木を集めにでかけます。大きな丸太は一人では持ち上げられませんが、軽トラックに取付けたジャッキで運び込みます。 ↓ 
(画像をクリック:拡大します)


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①休眠地に転がる丸太
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②ジャッキで引張り上げる
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②ジャッキで引張り上げる
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③ジャッキで吊り上げる
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④薪ストック:裏門
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⑤薪ストック:木屋

編集室より)
今年は暖冬と言われ、千葉県香取の里は、2020年に入って、いまだ雪知らずです。今号7シリーズ・トップ画像は、趣向を変えて、昨年(2019年2月9日)の千葉ラボの雪景色をご紹介させていただきました。・・・それでは、2020年4月号でお目にかかります。

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