【レポート】2020/03/01
千葉ラボ:古民家再生New garden life(7)

◆3月:千葉ラボの春
◆今月の特集:【味噌づくり】
![]() |
今号の特集は、【味噌づくり】です。薪で茹で上げる工程と、味噌をゆっくり熟成させる、千葉ラボ亭主オリジナルの食品庫(味噌蔵)他 をご紹介します。
・・・ 3月 千葉ラボの春 ・・・
1)千葉ラボの春: 孤高の桜
毎年、3月花曇りの頃、千葉ラボ亭主はカメラを手に、ご近所の高房神社へ出かけます。神社の境内の外に、ひっそり自生する一本の桜の木を、花が散る前に撮っておきたいからです。
・・・シャッターを切りながら亭主曰く、「孤独で深い慈愛に溢れた、孤高の桜です。」と前置きして、「少しづつ腰が曲がり、斜めに傾く老木ですが、背筋を伸ばし、凛として花を咲かせ、私には『元気でしたか・・・』と、母のような慈しみをかけてくれるのです。」
![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
孤高の桜:撮影20180330 ![]() |
2)千葉ラボの春: 初春の草花 (画像をクリック:拡大します)
ここに ご紹介するのは、 1月~3月、千葉ラボの庭に咲いた草花です。自生の「ふきのとう」や「山桜」「白梅」を除くと、すべて千葉ラボ・ガーディナーによって、植えられたものです。多くの植物が芽吹く前の 殺風景になりやすい冬場のこの時期、花に囲まれると 元気がでます! | ![]() |
![]() ふきのとう | ![]() 日本水仙 | ![]() 吹上げ絞り:椿 | ![]() 山桜 |
![]() らっぱ水仙 | ![]() ヤブ椿 | ![]() クリスマスローズ | ![]() ビオラ |
![]() クリスマスローズ | ![]() ゆきやなぎ | ![]() ミモザ | ![]() 乙女椿 |
![]() スノードロップ | ![]() アネモネ | ![]() 水仙ホワイトペーパー | ![]() ヒイラギナンテン |
![]() 芝桜 | ![]() デイジー | ![]() 菜の花 | ![]() 白梅 |
3)千葉ラボの春: クリスマスローズの日傘 (撮影2017年9月)
「冬場に、千葉ラボの庭で、うつむき加減に大きな花を咲かせるクリスマスローズですが、暑さに弱いのですよ」 という千葉ラボ・ガーディナー。真夏のサポートが欠かせず、強い日差しから守る、クリスマスローズ専用の「よしずの日傘」を、毎年、用意しているそうです。
(画像をクリック:拡大します)
![]() 日傘設置場所:バラ園 | ![]() 日傘設置場所:菜園B | ![]() 日傘設置場所:菜園B |
![]() 日傘の骨組み | ![]() 日傘設置場所:バラ園 | ![]() 日傘設置場所:バラ園 |
・・・ 特集 味噌づくり ・・・
![]() |
![]() 大豆 5㎏ | ![]() 麹 6㎏ | ![]() 塩 2㎏ |
1)味噌づくり: 千葉ラボの作業工程
味噌づくりは、千葉ラボの年中行事です。2016年2月27日から始まって、今年(1月25日)で5回目になります。大豆は今回も、ご近所の農家さんから、味噌専用のものを 分けてもらいました。「昔から、寒の時期に 味噌づくりをすると、雑菌を抑えてうまくいく。」と、千葉ラボ亭主。
1)味噌づくり 3日前 → 大鍋、お釜、鍋蓋などを洗い天日干し。 | ![]() |
![]() 2)味噌づくり 1日前 ↑ 大豆は水洗いし 前日より うるかします。 | ![]() 3)一晩水を吸って 丸い形の大豆が 長方形になりました。井戸水を使用。 |
![]() 4)味噌づくり 当日:2020年01月25日↑ 水量は 大豆がひたひたに 水をかぶる位 入れます。大鍋もお釜も 同じです。 | ![]() 5)午前8時30分 スタート |
![]() 6)薪で茹でます。沸騰する迄 一気に燃える 細目の薪を使用。吹きこぼれに注意します。次いで、太めの燃えにくい薪で ゆっくり茹でます。 弱火で だいたい4時間前後。 茹で加減は さし水をして 吹きこぼれないように ゆっくりです。↑ | ![]() 7)大豆は茹で上がってくると 黄色く 色が変わってきます。 時々食べて 大豆の硬さの度合い(茹で加減) を確認します。↑ |
![]() 8)4時間から5時間 茹でると 指にはさんで つぶせるほど 柔らかくなります。硬いと 豆をつぶす機械に入りません。 つぶせる 柔らかさが必須です。↑ | ![]() 9)大豆が 柔らかくなったら すくい上げ 粗熱をとって 冷やします。↑ 麹と混ぜる時 温度が高すぎると 麹菌が 死んでしまうからです。 |
![]() 10)麹に 塩を混ぜます。↑ | ![]() 11)麹に塩を混ぜて それを大豆に混ぜて 潰す準備に入ります。↑ 割合 豆:麹:塩= 5:5:2 |
![]() 12)大豆を すりつぶす機械です。毎回、こんな状態になります。↑ | ![]() 13)塩と 麹と 大豆の皮も実も 機械につぶされ、押し出されてきます。↑ |
![]() 14)機械から出てきた味噌は 桶に 隙間なく入れます。空気と遮断する ポリシートなどで覆います。↑ | ![]() 15)冷暗所で1年、ゆっくり熟成させます。手創り味噌のおいしさは「時間」をかけることですね。↑ |
2)味噌づくり: 食品庫
千葉ラボ亭主は、味噌を ゆっくり熟成させるために、【床下から空気を取り込み、天井裏へ換気する】味噌蔵を作りました。・・・亭主曰く「味噌やぬか漬けなど 発酵食品は 多くの人の伝統を受け継いだ 知恵の結晶ですね。それも、生活習慣や地域性、多様な作られかたで、味が変わります。奥が深いです。」
【食品庫の換気口】→ 床下から 空気を取り込み 天井裏に換気します。 ほぼ外気温で 味噌を熟成させます。 | ![]() |
![]() 食品庫:味噌&漬物蔵 | ![]() 食品庫:引き戸(開いた状態) |
![]() 食品庫 | ![]() 食品庫:引き戸(閉じた状態) |
![]() 食品庫:空気を対流させる すのこ棚 | ![]() 棚受けダボ |
3)味噌づくり: 「大鍋」と「羽釜」
・・・昔からある「羽釜(はがま)」 は、いいですね。「鍔(つば)」があると、カマドから持ち出せ易く、実際にお米や豆などを炊いてみると、その良さを感じます。鍋底が丸いので輻射熱や炎の対流で温めやすいし、炊いている最中に対流を起こして、美味しく炊けるというか、火の通りがすばらしいですよね。熱効率を考えると、鍋底が広く平らな方が良いと思いがちですが、実際に大鍋を使ってみると、そうでもなく、大鍋のほうが焦げ易い。だから、豆を煮炊きするのは、羽釜に限るという、千葉ラボ亭主。
![]() 千葉ラボの羽釜:Φ38㎝×H37.5㎝ 材質:アルスター鋼板 3升~4升用 | ![]() 左側:大鍋 と 右側:羽釜 撮影20180130 |
4)味噌づくり: 「カマド」
豆を煮炊きするカマドは、スチール(アルスター鋼板)カマドの他に、レンガやブロックによる手作りカマドでもやってみました。たまたま、二つ目の専用カマドが無かったので、とりあえず手作りしましたが、これは、スチール製カマドの方がいいですね。作業効率が良く、煮炊き中も、後かたずけも楽で、今年(2020年)は、スチール製を買い足しました。
![]() ブロック積みカマド 撮影20170225 | ![]() レンガ積みカマド 撮影20190213 | ![]() スチール製カマド 撮影20200125 |
5)味噌づくり: 「薪」
豆を5~6時間炊く薪は、燃えやすい細いものと、燃えにくい太いもののふたつを用意するといいですね。沸騰するまでは細い薪。後は時間をかけてゆっくり、太目の薪を使います。
味噌づくりで使う「薪」の量は、そんなに多くはないですよ。ホームセンターで売っている薪2束ぐらいで十分だと、亭主は、5回の味噌づくり経験を話してくれました。
千葉ラボ亭主の仕事の1/4を占めるのが、薪ストーブやお風呂、味噌づくりに必要な「薪づくり」。ご近所の紹介で、休眠地の不要な丸太や枯れ木を集めにでかけます。大きな丸太は一人では持ち上げられませんが、軽トラックに取付けたジャッキで運び込みます。 ↓
(画像をクリック:拡大します)
![]() ①休眠地に転がる丸太 | ![]() ②ジャッキで引張り上げる | ![]() ②ジャッキで引張り上げる |
![]() ③ジャッキで吊り上げる | ![]() ④薪ストック:裏門 | ![]() ⑤薪ストック:木屋 |
編集室より)
今年は暖冬と言われ、千葉県香取の里は、2020年に入って、いまだ雪知らずです。今号7シリーズ・トップ画像は、趣向を変えて、昨年(2019年2月9日)の千葉ラボの雪景色をご紹介させていただきました。・・・それでは、2020年4月号でお目にかかります。
千葉ラボ:古民家(再生)New garden life のバックナンバーです。
クリックでご覧いただけます。
シリーズ(1)
シリーズ(2)
シリーズ(3)
シリーズ(4)
シリーズ(5)
シリーズ(6)