2020-07-12 (2)
O7CAD2.5では建材情報ストリームなどの大きな新機能の他にも大小さまざまな改良が施されています。より普通に、よりストレスなく使えるように施された改良のほとんどは使った瞬間にそれが "当たり前" になってしまうもので、特に意識されることもなく、したがって謳い文句になることもありません。そんな地味な改良ですが、開発の現場ではこんなことを考えて作ってますという一例として、橘サーバーレンダリング開始時の小改良について書こうと思います。


2020-07-12 (3)
ユーザー様からは日々様々なご要望を頂いておりますが、O7CAD2.0 で複数寄せられたご要望に、

 「サーバーレンダリングした時の最後のOKボタンが要らない」

というのがありました。O7CAD2.0でサーバーレンダリングを開始すると、サーバーへの送信を待たされたあとに上の画像の "OK" ボタンを押し、さらに続けて "閉じる" ボタンも押さないと作図に戻れませんでした。これは確かに煩雑です。
 そこでOKボタンのメッセージは出さず、「閉じる」ボタンだけでよいようにしようとしたところ、続けてこんな声も届きました。

 「最後のOKボタンは要らない。すぐ作図に戻りたい」

"すぐ作図に戻りたい"。なるほど。。。

ソフトウェアを作る側はどうしても機能や操作単位でものを考えてしまいがちなのですが、お客様からのご要望は、どうしてその要望をしたのか、その要望によってお客様は何をしたいのか、そこを汲んで解決しないと望まれていただろうものを届けられないことがよくあります。

今回のも、最後のOKボタンを取っただけでは手間がひとつ省けるだけで、作図に戻れる時間は変わりません。これでは不十分でしょう。
もっと早く作図に戻れるように考えました。

幸い、データの収集にかかる時間はO7CAD2.0でリアルタイムパースと統合されたことによりかなり短くなっています。
そして収集したデータをサーバーへ送信する段階になったら、これはすぐ作図に戻ってバックグランドでやっても大丈夫そうです。

2020-07-22 (3)
というわけで、実装しました。

O7CAD2.5では、レンダリング開始ボタンを押したあとはレインボーカーソルがちょろっと回るだけでそのまま作図に戻るようになりました。

もう OK ボタンも閉じるボタンもありません。送信中のファイルが飛んでいくアニメーションをぼーっと眺める必要もなくなりました。
サーバーへの送信はバックグランドで行われ、その間も図面を編集したり、別の図面を開いたりしても大丈夫です。
送信の進捗はレンダリング一覧のところで確認できます。

2.5以降はこれがO7CADの「当たり前」になりました。便利になる新機能も当然ながら、より当たり前に使えるようにする地道な改良も今後も継続して積み重ねていきますので、よろしくお願いいたします。

以上、開発の現場からでした。