【コラム】2022/06/11
伝統を壊すタイミング
商品を企画立案する仕事に携わっていると、世の中にいくつか気になるメーカーやプロダクトがあります。私が気になる一つが、ライカのMというカメラです。
ライカは約100年の歴史のあるドイツのカメラメーカーです。その中でもM型と呼ばれるシリーズは最も伝統のある商品です。M型の初代は1954年のM3という名のフィルムカメラですが、すべてのフィルムカメラの原型にして最高傑作と呼ばれる名機だったといいます。
M3で採用された高性能なレンジファインダーやレンズマウント(カメラのボディとレンズを接続する口金)は、デジタル時代になってもそのまま受け継がれています。70年前のM3のレンズは、2022年発売の最新のデジタルM11でも使うことができるのです。
レンジファインダーやレンズマウント以外にも、類似点は多数あります。上の二つの画像は新旧のM型カメラですが、70年の時を隔てたとは思えないほど各所が似通っています。
写真では分かりませんが、ボディの底蓋(シルバーの部分)がすべて外れるのがこれまでのM型の伝統でした。フィルムの出し入れをするための機構でしたが、デジタルの時代になっても同じように外れてバッテリーやSDカードを入れることができます。
しかし今年、このM11になって初めて裏蓋の機構がなくなりました。その代わりにUSB-Cのコネクタを取り付けたのです。USB-CからiPhoneに直接写真を読み込んだり、充電することもできます。ユーザーの使い勝手をしっかり検討して70年の伝統の一つを壊したのだと思います。
※写真はライカHPより https://leica-camera.com/
ライカは約100年の歴史のあるドイツのカメラメーカーです。その中でもM型と呼ばれるシリーズは最も伝統のある商品です。M型の初代は1954年のM3という名のフィルムカメラですが、すべてのフィルムカメラの原型にして最高傑作と呼ばれる名機だったといいます。
M3で採用された高性能なレンジファインダーやレンズマウント(カメラのボディとレンズを接続する口金)は、デジタル時代になってもそのまま受け継がれています。70年前のM3のレンズは、2022年発売の最新のデジタルM11でも使うことができるのです。
Leica M3 | Leica M11 |
写真では分かりませんが、ボディの底蓋(シルバーの部分)がすべて外れるのがこれまでのM型の伝統でした。フィルムの出し入れをするための機構でしたが、デジタルの時代になっても同じように外れてバッテリーやSDカードを入れることができます。
しかし今年、このM11になって初めて裏蓋の機構がなくなりました。その代わりにUSB-Cのコネクタを取り付けたのです。USB-CからiPhoneに直接写真を読み込んだり、充電することもできます。ユーザーの使い勝手をしっかり検討して70年の伝統の一つを壊したのだと思います。