【コラム】2023/10/01
ITデバイス ものづくりの転換点か
先日発売された最新のiPhone15の最上位機種 iPhone15 Proがかなり売れているとか。購入理由はいろいろあるようですが、やはり、コネクタの変更が大きいようです。
iPhone15 Proは、159,800円〜という値段です。USドルでは999ドル〜ですが、昨今の円安の影響もあり、とても気楽に買える値段ではなくなっております。それが結構売れているという報道を見ると、USB-Cがそんなに欲しかったのかと驚かされます(高性能になったカメラなどそれ以外の要因も多々あると思いますが)。
今回発売された最新のiPhone15は、コネクタの形状がAppleオリジナルのLightningコネクタから一般的なUSB-Cに変更されています。昨年のEU評議会で充電規格をUSB-Cに義務化する決議がなされましたので、それに対応しての変更といわれています。USB-Cなら、PCやMac、Androidのスマホ、Nintendo Switchなどとも共通で、要するに全体としてエコであるということです。
Apple社は充電コネクタの形状をはじめ様々な規格を独自に作って、他社とは無関係に推し進めて行くのが特徴でした。しかもそれが市場のシェアを一定以上に取っているので、コネクタをはじめとしたさまざまな部分でデジタルの規格を分断しているという状況にありました。
Appleはそれらの違い(独自性)を性能や使い勝手、経済性、セキュリティの観点から採用しているという説明をしてきましたが、それはITデバイスをAppleで統一する誘因にもなりますから、ユーザーの囲い込みに使っていたともいえるでしょう。
そんな状況にEU評議会が風穴を開けたのは、良い流れととらえるべきでしょう。Appleといえども、世界とは無関係にモノ作りはできないという、記念すべきバージョンアップになりそうです。とはいえ、記念に買うにはちょっと高いですね。