IMG_0505
AIによって作り出された映像は、本物と見紛う精度になってきました。SNSやネットニュース、テレビに映し出される映像のうち、いったいどれが本物で、どれが嘘なのかもはや判別できません。

CAI(コンテンツ認証イニシアチブ)は、Photoshopのアドビ社が推進している、デジタルデータの帰属を証明する技術のことです。デジタルデータの中に、データの編集履歴を持てる仕組みで、Verifyなどのウェブサイトで画像の真正性を簡単に調べることができます。

アドビ社はPhotoshopなどのソフトにこの仕組みを導入して、デジタルデータを作り出すクリエイターやアーティストの権利を保護することを目指しています。それがインターネット上にあるデジタル映像などの中に組み込まれるようになると、他人の著作物を簡単には盗めなくなるでしょう。

また、CAIがさらに広がると、ネット上のあらゆるデータに来歴情報が組み込まれるようになり、来歴情報のない写真などは全てフェイクであると結論づけられるようになるかもしれません。そうなれば、どれだけAIの精度があがろうとも、偽情報に踊らされることも無くなるでしょう。

つい先日発売されたデジタルカメラ「ライカM11-P」は、世界で初めて、撮影した写真に自動的にCAIに対応した来歴情報を書き込むように作られたカメラとして発売されました。ライカM11-Pで撮影された写真画像は、それが本物の写真であると証明することができるということです。これはデジタル情報の危うさを一掃する革命的な出来事に見えます。

この動きはその他の主要なカメラメーカーにも広がってくるでしょう。ニコンやキヤノン、ソニーのカメラに搭載されくると、フェイクのないデジタルニュースが実現するかもしれません。