オーセブンCADコンテスト2021

学校部門受賞作品

コンテスト2021学校部門結果発表
本年もたくさんのご応募をいただき、誠にありがとうございました。今年はコロナ禍で授業も通常通りに行うのが難しかったのではないでしょうか。そのためコンテストの作品も集まるか心配しておりましたが多くの作品が集まりほっといたしました。今年は例年に比べ戸建て提案より公園提案のご応募が多くありました。若い人の発想や創造力が生かされたプランがたくさんありました。また、プレゼンテーションの質の高い作品が多く、さまざまな部材やオリジナル商品が盛り込まれたCADスキルにも驚かされる力作ぞろいでした。入賞作品をご覧ください。

*同賞は、順不同になっております。


最優秀賞
【作品名】様々な姿を見せる万葉庭園
東京都立農芸高等学校 緑地環境科 三宅桜輝様
東京都立農芸高等学校 緑地環境科 三宅桜輝様
様々な姿を見せる万葉庭園
様々な姿を見せる万葉庭園
C119_様々な姿を見せる万葉庭園_東京都立農芸高等学_三宅 桜輝_ページ_3
【オーセブンからのコメント】
万葉をテーマにした庭園のプラン。まず図面の構成が、全景とテーマの紹介、平面と樹種の注釈、四季折々の表情を見せる部分パースと3部構成となっていて、プレゼン図としてとてもわかりやすくなっています。
万葉=奈良時代をテーマとしていますが、室町以降に普及する枯山水や、蓬莱島など池泉回遊式の様式をとりいれていて、さながら三年間学習した内容の集大成として、見事に結実しています。樹種も万葉集に詠われるものをメインに置きながら、春夏秋冬、四季の表情を表すため古来からの園芸植物にこだわらず、それでいて、きちんと和庭の感覚にまとめ上げているのは素晴らしいですね。CAD表現としては、回遊する鑑賞者の視点を素直にパースで表現していて臨場感があり、これもテーマのわかりやすさ、メッセージ性の高さに繋がっています。また、植栽も自然な表現が出来ていて、普段から樹木をよく観察しているのが反映されているのでしょう。全体として、これまで学んだものを、きちんと咀嚼した上で巧みに表現しきった技量、これらが評価され、大賞へと選ばれました。

【作品コンセプト】
日本の四季が好きでそれを庭園におとせたら素敵なのではという思想の元 様々な和風庭園を見てそこから自分のオリジナリティ生み出すのかを考え出した結果生まれたのが、この作品です。
【作図の感想・工夫点】
中心の四季が集まる蓬莱島、この島のサイズや周りレベルの変更に手探りだったので苦労しました。両端の垣根の自然な凹凸を出すのに苦労しました。夏の区画の縁石の地面の出し方をテクスチャを編集することで表現しました。樹木をその季節区画ごとにその季節に合う樹木にすことで雰囲気をだしました。この作品を作ったことで私はこの先に活躍する色々な技術を学びました、これは私の処女作で一番の大作であり私にo7の楽しさを教えてくれた思い出の作品です。

【受賞コメント】
このたびは、このような素晴らしい賞をいただき、感謝を申し上げます。学校の先輩たちを超えてこのように評価していただき、学校に自分の足跡を残すこともできたと思うと、とてもうれしく思います。
造園CADの授業は3年生から始まりました。オーセブンCADケンブリッジは思い描いていた以上の素晴らしいソフトで、初めてE-Painterを起動させ、3Dの画像で自分の作った庭を見ることができた時はとても驚きました。それから造園CADの日はとても楽しみになりました。しばらくは毎回の授業が初めての連続で、慣れない操作に戸惑うことも多くありましたが、自分の知識が増えていくワクワク感を久しぶりに感じました。練習作品を通して様々な機能を学び、課題に取り組む中で試行錯誤を繰り返していくうちに、オーセブンCADケンブリッジのインターフェイスや操作方法がわかるようになりました。次第に植物、石材の配置や大きさの調整も思い描いたとおりにできるようになりました。リアルタイムパースで自分の作った庭が簡単に表現してもらえるので、受賞作品中の蓬莱島のサイズ感などをうまく表現できるようになると、ますます楽しくなり、このほかにも様々な作品を作りました。操作に慣れ親しむにつれて、「操作を間違うことがなければ、必ず自分の思い描いた通りの作品ができる。」と思えるようになり、放課後も使って可能な限り時間をかけて作りました。
こうして培った技術をもとに作ったのが『万葉庭園』ですが、今見返すとまだまだ改良したい点がたくさんあります。しかしそれはまだまだ自分が成長できるということだと思うと、とても楽しみでもあります。
卒業後は造園施工会社への就職が決まっていますが、CADを通して学んだデザインすることの楽しさと、理想の形に向けて一つ一つ作り上げていく達成感を忘れずに、いろいろなことに挑戦していきたいと思います。

【指導者コメント】
この度は最優秀賞を受賞することができ、学校関係者全員でとても喜んでおります。東京都立農芸高等学校緑地環境科では、12年次に製図や設計の基礎を学んだ後に、3年次の選択科目でオーセブンCADを利用して設計を学んでいます。本校で導入してから10年程になりますが、私自身の指導経験が浅いことから、オーセブンの皆さんにも多大なご協力をいただいて、指導内容を作ってきました。操作マニュアル内の2つのプランを導入として活用できること、また質問にはいつも早く丁寧にご対応いただいていることで、生徒への指導や助言がスムーズにできています。
今年度はコロナ禍でスタートが遅くなりましたが、PCとソフトウェアの更新をして、台数も増やせたため、さらに意欲を持って取り組んできました。リアルタイムパースですぐに表現できる点は、指導の大きな助けとなり、生徒のモティベーション維持にとても役立ちました。また2年次までに学んだ施工や植栽の知識を設計に活かしやすいと思います。
今回は課題2部門の作品だけでなく、複数の生徒が施工実習の設計案をCADに起こし、結果としてこれらの内の2作品が受賞いたしました。作品のコンセプトや設計条件づくりに特に丁寧に取り組み、その後放課後も残って細部にまでこだわり続けた2人が評価されたことは、非常にうれしく思います。特に最優秀賞を受賞した三宅君はレベルの高い3作品で応募し、最後は私を超えるほどにスキルを高めることができました。このような機会を得られたことに感謝したいと思います。本当にありがとうございました。
これから続く生徒たちにとっては、これ以上ない目標ができましたので、教員としては今後も指導方法の改善を図り、都市の環境創造に役立つ人材の育成に努めていきたいと思います。


入選
【作品名】Honey bee garden
東京都立農芸高等学校 緑地環境科 藤田美智様
Honey bee garden
Honey bee garden
【オーセブンからのコメント】
今回、公園提案作品で良作が多かったのですが、こちらも大賞候補として最後まで残った作品。見ているだけで楽しくなる色使い、ユニークな六角形のパターン、連なるアーチなど派手なところに目がいきますが、シンメトリーを上手く崩してバランス良くまとめ、間をうまく使った配置はプランナーのセンスの良さが現れているところです。それにしても六角形の平板敷き表現は、大変だったでしょう。オリジナルのプランターなど、CADというツールを熟知し使いこなしているのには驚かされます。

【作品コンセプト】
この庭はミツバチをコンセプトに設計した庭です。六角形と円形をうまく配置し、ほとんどのものを六角形と円形で仕上げ統一感を出しました。ミツバチ型の花壇やミツバチの飛んだ道、蜂の巣をモチーフした六角形のタイルでHoney bee garden をイメージしてつくりました。
【作図の感想・工夫点】
外から見ても庭の中に入っていても楽しく心がワクワクするような庭を設計することを心掛け、柵や六角形のタイル・花壇の配色にこだわりました。ミツバチ型の花壇が蜂の巣をモチーフにした樹木に向かって飛んでいるように見えるよう、ミツバチの体の向きを工夫しました。六角形のタイルを蜂の巣のように並べ、所々色の暗いタイルを並べることで蜂の巣をより表現しました。六角形のタイルとタイルの間に目地をいれた所がとても難しかったです。


入選
【作品名】庭と共に成長する建築物
奈良県立磯城野高等学校 環境デザイン科 坂本大和様
C025_庭と共に成長する建築物_奈良県立磯城野高等学校_環境デザイン科_坂本大和 -1
庭と共に成長する建築物

過去受賞作品