PRODUCTS
【 新着 】 トピックス
トップ » 2015年までのお知らせ » 【 新着 】 トピックス一覧 » EX専門店だからこそメリットが大きい情報革命(後編)
EX専門店だからこそメリットが大きい情報革命(後編)
popup_800_536_ON
「お金を掛けずに、自分でできる」直接受注を育てましょう。まずはインターネット上の「辻」に立つことがスタートです。・・・月刊エクステリア・ワーク11月号に掲載の「IT関連インタビュー(後編)」に、オーセブン社長 七海 崇 が答えました。


■■今年1月から発売開始しているホームページ制作サービスの「ガルテン・ブログ」についてお聞きします。まず、これはどういうものなのですか?・・・

七海 崇(以下、七海)・・・ ガルテン・ブログとは、インターネット上でエクステリア専門店の皆様が"ブログ形式"で更新して行くシステムです。高額なメンテナンス料金を取るプロの業者による制作サービスとは違い、当社独自開発の「にわ・なび」を使ってもらい、簡単に更新できることがセールスポイントです。
popup_800_536_ON
このシステムの開発の背景ですが、まず一般的なインターネットホームページは、プロに頼むと立ち上げるだけで高い料金か掛かります。また更新時にもお金が掛かるため、結局、生かせずに放置してしまうケースが数多くあります。ホームページを放置してしまうと、お客さんからは「この会社は自らの評価を上げる努力をしていないのでは」と見られてしまい、損ですよね。それに対し、ガルテン・ブログは「お金を掛けずに、自分でできる」、それが基本です。

制作業者が作る格好よく洗練されたホームページでも、アクセス数の増加には繋がりません。その理由は、ヤフーやグーグルといった検索エンジンが読み込む検索ワードに秘密があるからです。少しでもホームページを更新すると、検索エンジンはそれを全部読み込んでくれます。良いデザインに改良をしたからと言って、アクセス数は増えません。では何が必要かというと、制作業者が作る美しいデザインではなく、自らの言葉で「語りかけ」、さらにそれを「継続する」ということなのです。ガルデン・ブログは、その「語りかけの継続」が、そのままホームページの更新と検索エンジンでのヒットにも繋がっていくのです。
popup_800_536_ON
popup_800_536_ON
■■ブログには、どんなことを書いて更新して行けばよいのですか?

七海 エクステリア専門店の場合、まず何を語りかければ良いのかというと、それは社長の人柄です。この人に頼むかどうか、「ここの社長はどんな人か」ということで決まるのです。小さい会社であればあるほど、もうそれだけなのですよ。話はどんなことでも良いのです。例えば自分の家の犬の話を書くことで社長の人柄を知ってもらうこともできます。そして更新は最低でも一週間に1回は行うべきです。自分をさらけ出すつもりで、結構恥ずかしいくらいのことを書いた方が良いです。

■■特別なことは必要ない、ということなのですね?

七海 庭・外構の分野だけでなく、住宅を建てる工務店でも営業マンがゼロでインターネットから受注している会社があります。そういう会社は自ら公表しないのであまり知られていませんが、実はうまくやっている人が多いのです。彼らはホームページ受注契約事例のセミナーや情報交換会を頻繁に行い、成功事例を共有しています。そして面白いのが、彼らの作るホームページを見ると、まったく技術やデザインが優れているということがないのです。その代わりに、共通していることがあります。それは、特別なことを言うのではなくて、「自分はこうである」というこだわりについて、熱く語っているのです。そうすると、こだわりを探してネットを検索している訪問者の中には、彼らの発信するこだわりに共感する人が出てきます。極論すれば技術や特許などは二の次で、まずは人柄なのです。
popup_800_536_ON
要するに、お客さんは大金を預けた仕事を請ける社長が、ウソ・インチキをしないということをまずは知りたい。そして、「今日一日、私は職人さんと一緒に汗を流して仕事をしました」という事実を、写真付きで見たい。こういうことをしっかりと実践している会社が、受注を取れている訳です。ガルテン・ブログは、こうした試みをエクステリア専門店の方々にも実践していただき、是非とも効果を実感してもらいたい、ということで提案している訳です。
popup_800_536_ON
popup_800_536_ON
■■なるほど、エクステリア専門店がお客さんに「継続的に語りかける」ための仕組みづくりが大切なのですね。

七海 ガルテン・ブログは顧客満足度を上げる仕組みでもあります。先月お話ししたように、エクステリア専門店は今後、情報革命によって直接受注率を50%近くに持って行くことだって可能です。そうなれば下請け仕事の場合と違い、営業・接待そしてマージンなども必要なく余計な体力の消耗や利益の低下とは無縁です。一般的な値段で高品質な商材と工事が提供でますので、価格競争力がつき、顧客満足度も高くなります。こだわりを支持してくれるエンドユーザーが味方に付いています。それが世界中とコミュニケーションできるソフトウェアであるガルテン・ブログが目指すところなのです。
ガルテン・ブログは今年1月にスタートし現在45社ものエクステリア専門店・造園業者が採用しています。当初はブログを開設したことだけで安心してしまう人もいました。40社のうちの三分の一はアクセスがあり契約が取れたという事例も出始めています。私の経験上、開設して一年目はゼロだと思っていましたから、この成果には正直言って驚いています。
■■情報革命を行い、ブログでも発信するエクステリア専門店が国際的なコミュニケーションにも参画できるという可能性はあるのでしょうか。

七海 何と言っても観光立国として日本を見直す時期に来ていると思います。例えば中国、台湾、マレーシアを始め、世界の富裕層は平均レベルの高い日本の生活品質を求めています。日本の景色・街並みは彼らの住む外国とは全く違い、とても穏やかに映るそうです。特に騒がしい国から来た人は、日本の静かで穏やかな飛行場は初めてだと感じ、これに癒されるという話しです。

英国の河川は土木工事によって維持されていますが、芝生を入れて石垣を積みそこから花を咲かせています。これは偶然咲いているのではなくて、しっかりと観光資源として花を植えているのです。これを手掛けているのが造園業です。観光産業として、もっと人を呼ぶには土木事業ではなくて造園業の感覚で街を見直していく必要があるのです。
popup_800_536_ON
英国といえば、ウィズリーは生きた百科事典で展示場みたいなものです。ここには年間何万人もの人が訪れます。こういう場所を日本にも作れば良いと思います。ウィズリーよりも、遥かに高いレベルの技術を持つ日本の事例は数多くあるはずです。日本人の庭に対する感性はインターナショナルであることを自覚すべきですし、日本のエクステリア専門店、造園業はまだまだ捨てたものではありません。

そして同時に、優れた日本の庭文化を輸出することも必要です。今年の北京オリンピックの会場の外構はかなりの部分を日本人が手掛けています。その中国を見ると、お金持ちはまだ住宅の庭まで気が回っていないようです。それを日本の専門店が赴いて一軒でも庭を作れば、「これは誰が手掛けたのだ」という話題になり、設計屋・ガーデンデザイナーは引く手あまたになると思います。日本のガーデンデザイナーと工事会社は、考え方と行動の仕方によっては日本市場だけでなく、かなりインターナショナルな仕事が増えるという、非常に大きな可能性があります。
popup_800_536_ON
popup_800_536_ON
■■最後に今後のエクステリア産業の将来像についてお伺いします。

七海 住宅需要が一巡していますが、庭の時代はもう定着しているのだと思います。なにより日本経済は不況であるにもかかわらず、全国から当社への設計支援の依頼は昨年より確実に増えているのです。今年の夏場はだいたい週単位で100件近く依頼がありました。昨年と比べると同時期で20件は増えています。

家づくりにしても、10年前は家を作ったら閉め切ってクーラーをかけるというライフスタイルでした。しかし現在はできるだけオープンにして、夕方になったら打ち水して涼もうかということになってきたようです。それだけ庭へのこだわりが増してきており、一般的な住宅であっても、庭に関しては高度なデザインや単価の高い仕事が増えてくると思います。
エクステリア専門店・造園業者が目指す方向性としては、まず情報革命を上手に推進し、販売費・一般管理費を減らすことです。そして目標としては今後5年間くらいの間に30〜50%くらいはインターネット受注できる体制に持って行き、さらに直接受注にしていく必要があると考えています。なぜなら、新築依存の住宅産業はこれから衰退して行きます。大手ハウスメーカーとてかなり厳しくなるため、販売費・一般管理費部門のIT化に力を入れてきます。そうなった時には、エクステリア専門店も脱下請けの準備をしておく必要があります。ここの準備が出来るか出来ないかで、おそらく差が歴然としてくるでしょう。
種を撒き、水をやり雑草を取り、肥料を与える。それを着々とやっていかなければ植物も育ちません。ホームページもそれと同じで、日々のメンテナンスをマメに行い、つたない文章でも良いから、是非とも継続的に「語りかける」ことを、実践して行って欲しいと思っています。

■■ありがとうございました。(月刊エクステリア・ワーク編集部)
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
写真は、七海が、2008年6月にイギリスで撮ったものです。

IT関連ニュースTop へ戻る>>>

ガルテン・ブログTop へ戻る>>>
popup_800_536_ON