お客様をテーブルに招き、目の前にA3の図面を広げるとき　勝負は決まります。
この「季節を感じる庭」は、A3という紙の世界で、それをやってのける勝負強いものがありました。提案図面の天地左右の余白や縦横斜めのレイアウトなど「図面表現のいろは」を　しっかりと守られ、コンセプト（メッセージ）の配置も、部分パース等の門扉の金属の質感やレンガのそれも、お施主様に見て取れるように≪視点≫を決めておられます。特筆すべきは　フォト樹木を用いて樹木越しに庭の部分を眺める提案をしておられるところ。庭を作ってもらった後でお施主様が≪感じるシーン≫を、添えているところが心憎いです。≪1日の庭と外構≫の一つ一つに気配りをしたプレゼンテーションは清々しく、説得力がありました。

とりわけ植栽の扱いが、非常に美しい図面でした。A３の図面から飛び出してくる≪穏やかさ≫と≪繊細さ≫が、まず目に留まりますが、これを際立ってイメージさせているのが、生活実感を連想させる草花や椅子・テーブルなどＥＸエレメントの存在です。特に、植栽の≪オーセブンCADノズルレタッチ仕上げ≫は絶妙です。葉陰の湿気感や、草花の咲き乱れる様子の表現は、ご自身も楽しみながら時間をかけずにレタッチできる手馴れた域に達しておられ、説得力がありました。肩から力が抜けた巧みなＣＡＤ操作力だと思いました。

建材金物やガーデン製品を組み込んだ提案が多い中で、主題の庭には≪それ≫がなく、大変シンプルなプレゼンです。それだけに、庭の樹木と床の設えだけの最小限のアイテムで≪四季の風が廻る庭≫を表現し切っておられるところに感動しました。幾つものバージョン8.5Artの特性（遠くがぼやける遠近機能、築山ツールなど）を上手に使いこなされています。≪時間がゆったりと流れる柔らかな空間≫の表現も、陰影を和らげた真昼のテイスト（ＣＡＤ技量の必要な仕上げ）で演出しておられるところに上手さを感じました。審査員からは、≪平面図のＣＡＤによる仕上げかたが非常に美しい≫という意見もでました。

図面から溢れる陰影の力強いタッチは　≪大賞≫や≪Art賞≫かと、　審査員の中で意見が出たほどです。とりわけ、夕暮れのメインパースは圧巻でしたが、この≪勢い≫が平面図からはじまって全ての部分パースへも展開していたところに、１本調子感が残りました。オーセブンCADの平面図仕上げは、ご応募のレンダリング仕上げの他に、アーキテクト・ライン仕上げの組み合わせも装備されています。ご応募のメインパースや部分パースの≪タッチの勢い≫と距離を置く意味（パースを引き立たせる意味）で、大胆さから一転リズムが変わる、繊細なアーキテクト・ライン仕上げの平面図もお役に立つのではと思いました。

このたびはオーセブン賞に選出して頂きありがとうございました。
賞に入ったと聞いた時はとても驚きました。この業界に入って日が浅い私にとってこの賞は自信へとつながり、いい経験をさせていただきました。今後もお客様の要望に答えることのできるエクステリアデザインを心掛けていきます。

段差のある敷地を、ＣＡＤの特性を活かして、幾つもの部分パースで、お施主様に解りやすく、設計ポイントをＰＲしていらっしゃるところに提案力を感じました。特に、提案メッセージと一致したＣＡＤパースの角度（パースのトリミング含）の取りかたに、お客様の心を掴む≪経験力≫や≪上手さ≫を感じました。また、新フォト樹木を使って、パース全体をを品良く表現していただいているところが、オーセブンにとっても、フォト樹木を標準装備してよかったと思わせる嬉しい図面でした。

お客様へのアピールポイントを　様々な角度からのパースで提案していらっしゃるところが感動です。特に、夜のアクティブな光の表現で3次元空間をドラマチックにアピールしておられ、≪ＣＡＤ操作の上手さ≫を感じさせました。平面図からは予想もつかない時間≪昼・夕方・夜≫が経過するパースの数々は、バージョン8 Ａｒｔの機能を駆使した、お施主様のこだわりに応えられるリッチな提案だと思いました。

このたびは、O7賞に選出いただきありがとうございました。
オーセブン・デザインコンテストには、今回初めて応募させていただきました。受賞できると思っていなかったので、大変驚いております。
オーセブンCADは、日々性能があがっていて、これまでにもまして表現力がアップしています。よりリアルなイメージでコミュニケーションが図れるので、お客様からも私の提案力以上の評価を得ております。
最近は、お客様のご要望がますます多様化し,「庭」は、自己実現の場になってきているように思います。
進化するオーセブンCADに負けないように、私自身腕を磨き、おひとりおひとりの「心」を表現できるような庭づくりを行きたいと思います。

株式会社ティーエムアドヴァンス　宇田川　正弘

庭の生活を楽しみたいお施主様のご要望に添うかのように、牧歌的な穏やかなイメージでまとめられたプランです。柔らかで優しい感じがでるオーセブンCADアート樹木と草花のノズルレタッチ仕上げを使われ、更にはパースの絵のコーナー部分に「ぼかし」レタッチを加えて、キツイ画面にならないように工夫されています。イメージを絞り込む心遣いが、庭の隅々に行き渡っているところに、お施主様を囲い込む作品になっていると思いました。
（実は、新フォト樹木をご利用いただいたなら、北の大地の風を感じさせる作品になったのではという意見もありました。）

駐車場まわりの花壇から溢れ出る≪葉≫の、細やかに丁寧にノズルレタッチ仕上げされた繊細な優しさと、バージョン8 Ａｒｔの特性≪映り込みの麗し機能≫を活かした駐車場仕上げから、題目の通りの≪爽やかな南風のイメージ≫が伝わってきました。
圧巻は、庭です。星空の下でＣＡＤのライティング機能を上手く引き出された光と影の表現には、審査員のだれもが≪美しいロマンチックなイメージ≫を持ちました。固くなりがちな図面に、南国のフルーツや花々のカットが添えられていることで、一服の清涼感（爽やかさとロマンチック）も加わっています。庭のテイストとレイアウトのテイストが一致した≪気持ちのいい図面≫だと思いました。

◆◆　特別賞　◆◆　賞金1万円
※順不同（五十音順）でご紹介しています。

入賞作品の詳細は、後日オーセブンホームページにて公開いたします。
又、受賞者の皆様へは追ってご連絡申し上げます。

有限会社エクステリア明日香　伊藤人二様
「　H邸　」

作図ＣＡＤ：バージョン8Art　C仕様
⇒作品と作図感想を見る

【デザインコンテスト2009　を振り返って】

全体的に言えることとして、

○　日常のお仕事で提案しておられる物件からご応募されたと思われるプランが中心です。
　　長い不況が影響しているのかどうか、大型物件は少ないように思いましたが、
　　しかしその分、丁寧で細かい「気配り」が反映されていたと思います。　

○　平面図、立面図、メインパース、部分パース、設計ポイントなどの
　　説明やレイアウトのされかたをみてみると、
　　パースの撮り方や配置方法ひとつをとっても、
　　全国的に、標準的な提案スタイルが定着してきたと言えます。
　　設計業務のIT化が図られ、パソコンやCADなどが使いこなされた結果
　　としての傾向だと思います。

○　建物なしの提案は減っていました。
　　一部のＶＷによる建物作図を除くと、
　　≪建物デザイナー≫ソフトの普及によるものと思います。
　　建物の表現がしっかりしたものになっていました。

○　今回の応募図面は　全体的に、高精細で気配りのある表現が多いです。
　　新フォト樹木の採用による表現力のアップに加え、
　　輪郭線（アーキテクト・ライン）の扱いや、ノズルレタッチの繊細さ、
　　部位別ライティング計画（CADの使いこなし）などが、上手く行えていました。

○　カラーの扱いが、更に洗練されてきたと思います。
　　穏やかなライトグレイッシュ（中間）色、陰影の力強いダルトーン色、
　　ワンポイントとしてコントラストさせるビビット色など、
　　効果的なカラーの絞込みがうかがえます。美しい形と配色の作品が多く見られました。

これからも、「07CAD・リタラシーの向上」を審査ポイントとする≪オーセブンCADの使いこなしコンテスト≫でありたいと考えます。オーセブンCADをご利用の皆様の切磋琢磨の場として、プレゼンテーションの質の向上にお役に立てればと思います。2010年度コンテストも予定していますので、何卒、宜しくお願い申し上げます。

今回　学校部門「CAD甲子園」は　お声を掛けるタイミンががずれたために　応募がありませんでした。反省して　2010ではしっかりとご案内をしていきたいと考えています。

オーセブン株式会社　デザインコンテスト推進室